売上が増えない原因とは?外的・内的要因や具体的な対策を解説
事業を続けていると、思うように売上が伸びず、悩んでしまう時期もあるでしょう。
売上が増えない原因は多岐にわたり、解決を図るにはその特定と適切な対策が不可欠です。
この記事では、売上が増えないときに考えられる外的・内的要因や、具体的な対策を解説します。
ぜひ参考にしてください。
売上が増えない原因|外的要因
売上が増えないときに考えられる外的要因には、流行や周囲の環境の変化、競合他社の成長や自社商品・サービスのイメージ悪化などが考えられます。
まずは、外的要因で考えられる内容を確認しましょう。
流行に遅れている
消費者の嗜好は常に変化しており、商品やサービスが流行に遅れてしまうと、売上が伸び悩む原因となります。
特に、アパレル業界や食品業界などは流行の移り変わりが激しいとされています。
そのため、常に最新のトレンドを把握し、商品開発や販売戦略に反映させることが重要です。
また、近年のサステナビリティへの関心の高まりを踏まえ、環境に配慮した商品やサービスを提供しなければ、消費者の支持を得ることが難しくなるでしょう。
周囲の環境が変化している
商品やサービス内容が以前と変わっていなくても、店舗周辺の環境が変化すると売上が増えない原因となります。
たとえば、これまで静かで落ち着いた雰囲気だった場所に商業施設が建設されてしまい、交通量が増加して騒がしくなってしまったとします。
以前の静かな環境が店舗の魅力の一つだった場合、環境変化によって客足が遠のき、売上が減少する可能性があるでしょう。
競合他社の業績が上がっている
競合他社の人気が上がると、自社の売上に影響しやすくなります。
その場合、なぜ競合他社の業績が向上しているのか、分析することが重要です。
たとえば、以下のような要因が考えられます。
- 新商品
- キャンペーン
- 価格戦略
- 広告戦略
- 顧客サービス
また、競合他社が新たな販売チャネルを開拓したり、提携戦略を強化したりすることで業績を伸ばしているケースもあります。
商品やサービスのイメージが悪化している
SNSでの口コミにより、商品・サービスのイメージが悪化し、売上が減少・低迷してしまう原因になっているケースも考えられます。
ユーザーの1人が商品やサービスに関して不満を抱き、その内容をSNSに投稿した場合、その情報が拡散されると多くの人の目に触れてしまいます。
特に、悪い口コミは拡散されやすく、企業にとっては大きな痛手となるでしょう。
また、業界全体からの影響も懸念されます。
特定の業界で、他社が起こした不祥事の情報が拡散された場合、その業界全体のイメージが悪化し、消費者の購買意欲が低下する可能性があります。
WebサイトやSNSのアクセス数が減少している
WebサイトやSNSへのアクセス数が減少している場合、売上に大きく影響します。
アクセス数が減少する原因は、SEO対策の不足やコンテンツの質の低下、Webサイトの使いにくさ、SNSの更新頻度の低下などがあげられます。
SEO対策は定期的な見直しが必要であり、対策が不足している場合、検索してもすぐに表示されにくくなります。
また、ユーザーにとって有益な情報を提供できていない、情報が古いなど、コンテンツの質が低い場合もアクセス数の減少につながるでしょう。
Webサイトの使い勝手が悪い場合には、ユーザーはすぐに離脱してしまいます。
Webサイトの表示速度が遅い、スマートフォンに対応していない、ナビゲーションがわかりにくいなどの問題がないか、確認が必要です。
売上が増えない原因|内的要因
売上が増えないときに考えられる内的要因には、新規顧客やリピート顧客の獲得ができていない、自社商品やサービスの質が低いなどが考えられます。
内的要因を把握して、対策を講じなければなりません。
新規顧客が獲得できていない
ビジネスの成長に欠かせない新規顧客が獲得できていないと、売上の向上が見込めません。
新規顧客を獲得できないときには、以下の原因が考えられます。
- 商品やサービスの差別化ができていない
- ターゲットを絞れていない
- 新規顧客を得るための適切なWebサイトやSNSアカウントがない
商品やサービスの差別化ができていない場合、顧客は他社製品・サービスとの違いを認識できず、自社を選ぶ理由は得られません。
また、ターゲットを絞れていない場合、誰になにを訴求すべきかが曖昧になり、効果的なマーケティング施策が打てないでしょう。
WebサイトやSNSアカウントなどを保有していない場合には、顧客はそもそも商品やサービスの情報に触れる機会がありません。
現代ではオンライン上での情報発信は必須であり、見込み顧客へのリーチを広げるためにも適切なプラットフォームの活用が不可欠です。
既存顧客のリピート率が減少している
売上が増えないときには、既存顧客の再購入、再来店が減っている状態である可能性もあります。
リピート率が減少傾向にある場合、以下の原因が考えられます。
- 特別な体験やメリットの提供が不足しており顧客の印象に残らない
- 商品・サービスが顧客のニーズに応えられていない
- 顧客との継続的なコミュニケーションや関係構築が不足している
リピート率減少への対策を怠ると、売上減少に加え、新規顧客を獲得するためのコスト増加にもつながる可能性があります。
客単価が低下している
客単価とは、顧客1人あたりが1回の買い物や食事で支払う金額のことです。
客単価が下がると、せっかくアクセス数や顧客獲得数が増えても、売上の増加にはつながりません。
客単価が低下する原因は、おもに以下のとおりです。
- 戦略なく値下げする
- 安易にクーポンを発行する
- 顧客の購買意欲を掻き立てられない
- 競合他社の低価格戦略に負ける
値下げをする際には、事前に綿密な価格調査をおこない、採算性を考慮することが重要です。
また、顧客の購買意欲を高めるためには、新商品開発や既存商品のリニューアル、効果的なプロモーションなどの実施が必要です。
商品やサービスの質が低い
商品やサービスの質の低下は、売上の減少に直結する危険性をはらんでいます。
品質が顧客の期待を下回れば、リピート購入は見込めず、悪評が広まることで新規顧客の獲得も困難になるでしょう。
商品・サービスの質の低下には、以下のような要因が考えられます。
- コスト削減を目的として質の低い原材料へ変更した
- 工程を削減して作業が粗雑化された
- 教育不足や熟練工の退職により技術力が低下した
- 人員不足により顧客対応の遅れや質の低下につながった
低下した質を取り戻すには、多大な時間とコストが必要となります。
スタッフの質が低い
顧客満足度に直結する顧客対応をおこなうスタッフのスキル不足は、顧客獲得機会の損失や顧客離れにつながります。
商品説明が不十分であったり、顧客のニーズを的確に捉えられなかったりすると、顧客は購入意欲を失ってしまうでしょう。
また、クレーム対応が不適切であれば、企業イメージの悪化につながりかねません。
顧客対応の質が低下する原因には、スタッフのモチベーションが低いことが考えられます。
やる気のない態度は顧客に不快感を与え、リピート率の低下につながります。
売上が増えないときの対策
売上が増えないときには、原因を分析したうえで対策を講じることが重要です。
具体的な対策を解説します。
原因を分析する
売上が増えないとき、まずは原因を分析します。
原因を特定しないまま対策を講じても、良い効果は見込めません。
売上が増えない場合、複数の要因が絡み合っているケースも多いため、以下の方法を活用して多角的な視点から分析をおこなうことが重要です。
原因分析 | 方法 |
---|---|
ロジックツリー | なぜ(Why)を繰り返し考えて問題の根本原因を探る |
PEST分析 | マクロ環境要因を分析する |
3C分析 | 市場・競合・自社を分析する |
ロジックツリーは「売上が増えない」という問題を階層化し、原因として新規顧客の減少・既存顧客の離脱・客単価の低下などに分解する方法です。
どの要素に問題があるのか明確化できます。
PEST分析は、政治・経済・社会・技術といった外部環境要因の分析により、市場全体の動向や消費者の行動変化などを把握でき、自社の戦略に反映させられます。
3C分析は、自社の強み・弱みや競合との差別化ポイントなどを明確にでき、効果的な戦略を立てられるでしょう。
集客率を向上させる
以下のような方法で集客率を上げられると、新規顧客を獲得でき、売上向上につなげられます。
- WebサイトのSEO対策をおこなう
- SNSを使ったプロモーションをおこなう
- テレビや雑誌などのメディアへ広告を出す
- インターネット広告を出す
- ポスティングでチラシを配布する
コストや自社の商品・サービスとの相性を考えながら、最適なツールを選択することが重要です。
集客力を高める方法は、以下の記事で詳しく解説しています。
リピート率を向上させる
顧客のリピート率を向上させるには、印象に残るようなサービスを提供することが大切です。
顧客に「また来たい」と思わせるような体験を提供すると、リピートにつなげやすくなります。
また、顧客のニーズに合った商品やサービスを提供できると、顧客満足度を高めリピート率につなげられます。
SNSやポイントカードの導入、リピーター限定のコミュニティを作るなど、顧客とのエンゲージメントを高めるための施策も有効です。
リピート率を上げる方法については、以下の記事もご覧ください。
リピート率を上げる7つの方法を徹底解説!リピーターを減らさないための注意点も公開
客単価を上げる
客単価を上げるには、顧客に商品をお得に感じてもらったり、より高額な商品を購入してもらったりする工夫が必要です。
顧客にお得感を与える方法として、送料無料サービスの導入があります。
送料は購入のハードルとなるため、一定額以上の購入で送料無料にすると、顧客は追加購入を検討するようになるでしょう。
また、商品購入を促進する方法として、アップセルとクロスセルが有効です。
アップセルは購入しようとしている商品より上位の商品を勧める手法で、クロスセルは関連商品を勧める手法です。
客単価を上げるために価格変更を考慮する方法も考えられますが、値上げは顧客離れにつながる可能性があります。
そのため、商品の価格相場を調査し、顧客が納得できる範囲でおこなうことが重要です。
客単価を上げる方法については、以下の記事も参考にしてください。
客単価を上げるには?売上アップにつなげる7つの戦略と業種別の事例を紹介
商品やサービスの質を上げる
商品やサービスの質を上げると、顧客満足度を高め、リピート率向上や口コミによる新規顧客獲得につながります。
商品・サービスの質を上げるために、顧客のニーズを的確に捉えましょう。
アンケート調査やレビュー分析などを実施し、現状の商品・サービスに対する意見や要望を収集するのも有効です。
そのうえで改善点を洗い出し、具体的な改善策を検討・実施していくと、顧客ニーズに応えられる商品・サービスを提供できます。
また、競合他社の商品・サービスを分析し、自社ならではの強みを打ち出せると、顧客にとっての価値を高められます。
スタッフのモチベーションを向上させる
スタッフのモチベーション向上は、生産性向上や顧客満足度の向上、リスク軽減につながります。
仕事内容に見合った給与やインセンティブを支給したり、貢献度に応じて役職を与えたりすることで、努力を正当に評価する仕組みを作りましょう。
さらに、スタッフが主体的に働けるよう裁量権を与えると、責任感とともに意欲を高められます。
売上が増えない原因を把握して適切な対策を図ろう
売上が増えない原因は多岐にわたるため、まずは根本原因を分析することが重要です。
原因を把握できると、効果的な対策を講じやすくなります。
自社で考えてもわからないときや不安な場合には、株式会社プラストのモバイルマーケティングをご活用ください。
お客様の立場に立って、最適なマーケティングをご提案いたします。