OA機器営業の仕事内容とは?必要なスキルや営業のコツ、年収など徹底解説
オフィス業務の自動化・効率化に欠かせないOA機器における営業の役割は、顧客へ提案し成約につなげることです。
令和4年度における有効求人倍率は9.38倍と高く、多くの現場でOA機器の営業職が求められていることがわかります。
この記事では、OA機器の営業がおこなう仕事内容や必要なスキル、上手くいくためのコツを解説します。
向いている人や平均年収も参考に、今後のキャリアに活かしてください。
OA機器営業の仕事内容とは
OA機器の営業は、オフィスで使用される機器の提案から販売・リース契約、その後のサポート案内まで担当する仕事です。
OA機器とは、Office Automation(オフィス・オートメーション)機器の略で、オフィスにおける業務の自動化や効率化に欠かせない製品のことです。
主に、パソコン・ビジネスフォン・コピー機・FAX・複合機などがあります。
OA機器の営業は必要に応じて顧客の事務処理の内容や方法を確認し、適切な製品の選択方法やシステム・ネットワークの構築について提案をおこないます。
説明する内容は、以下のとおりです。
- OA機器の機能や使用方法
- 設置方法
- 稼動後の保守・メンテナンスの方法
- OA機器に必要な消耗品
- サービス体制など
販売が成立した場合は、販売契約書の締結をしたり納入を手配したりします。
また、納入後は操作方法などについて説明会を実施することもあります。
顧客の要望に合わせ、デモンストレーションによる実演などをおこなうこともあるでしょう。
顧客の対象は企業から学校、病院まで多岐に渡り、営業の仕方には大きく分けて飛び込み営業とテレアポ営業があります。
飛び込み営業
飛び込み営業とは、企業などにアポイントなしで直接訪問する営業方法です。
何件も訪問して、自社製品の説明から売り込み、契約までをおこないます。
契約までたどり着くためには、高いコミュニケーション能力や提案力が必要です。
営業先は留守だったり、断ったりすることも多く、営業は気持ちを切り替えることやチャレンジ精神をもつことが大切になります。
テレアポ営業
テレアポ営業とは、電話での営業方法です。
電話で自社製品やサービスの紹介をしてアポイントを取り、次の営業活動につなげるきっかけ作りをおこないます。
テレアポ営業は飛び込み営業より断られやすく、電話のみで契約までつながるケースは滅多にありません。
目的はあくまできっかけ作りであるため、断られても気持ちを切り替えて電話をかけ続けることが大切です。
また、テレアポ営業で契約が取れそうな場合でも、実際に営業先に足を運ぶ必要があります。
テレアポについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
テレアポとは?メリット・デメリットや成果を出すコツについても徹底解説
OA機器営業がきついといわれる3つの理由
OA機器の営業は「きつい」「つらい」といわれることもあります。
その主な理由は以下の3つです。
- 営業実績へのプレッシャーがある
- さまざまな業種に関する知識が必要
- 労働時間が不規則になりやすい
それぞれ詳しく解説します。
1.営業実績へのプレッシャーがある
OA機器の営業は製品を売り込み、契約につなげる役割があるため、営業実績へのプレッシャーを感じやすくなります。
OA機器はオフィスに欠かせないとはいえ頻繁に買い替えるものではなく、初期設備のタイミングなど営業のチャンスを逃すとなかなか成約に至りません。
同様の製品を取り扱う競合企業も多いため、顧客の取り合いになるケースも多く、プレッシャーに感じることもあるでしょう。
営業実績を上げ続けるためには、営業について勉強したり、提案方法を工夫したりすることが必要です。
2.さまざまな業種に関する知識が必要
OA機器の営業を成功しやすくするためには、さまざまな業界知識を身に付けなければなりません。
対象の顧客は業種も幅広く、契約につなげるためには業界に合わせた内容で提案をすることが大切です。
さまざまな業種について学ぶことを負担に感じる場合もありますが、営業先の特徴を把握して話を合わせられると、顧客との信頼関係も築きやすくなります。
3.労働時間が不規則になりやすい
OA機器の営業は労働時間が不規則になりやすく「きつい」「つらい」といわれることがあります。
営業は実績を上げるために1日かけて客回りしたり、終業時間が不規則になりやすかったりするでしょう。
厚生労働省の毎月勤労統計調査によると、令和4年度の総実労働時間の平均は約136時間です。
一方、OA機器の営業では164時間であり、平均より28時間ほど労働時間が長いことがわかります。
アポイントが取れた場合、営業が訪問するのは基本的に顧客の指定する時間です。
顧客によっては終業後の遅い時間を指定することもあり、負担に感じる可能性があります。
OA機器営業のやりがい
OA機器の営業は大変な面もありますが、以下のようなやりがいも感じられるでしょう。
- OA機器関連の知識が深くなる
- さまざまな業種と関われる
- 成約できると満足感が得られる
それぞれ解説します。
OA機器関連の知識が深くなる
OA機器の営業は顧客に提案し売り込みをおこなう役割があることから、機器関連の知識が深くなります。
機械が好きな人や専門的な知識を身に付けたい人などは、やりがいをもって働けるでしょう。
OA機器関連の知識は仕事以外にも、自分で購入したり使用したりするときにも役立ちます。
この先のキャリア展開でも活かせるかもしれません。
さまざまな業種と関われる
OA機器はオフィスを構える企業などであれば導入することが多いため、営業によりさまざまな業種に関われます。
さまざまな企業と関わりをもつことで知識も増え、視界も広がり、新たな人脈が広がる可能性もあります。
将来的に独立を考えている方も、OA機器の営業でよい経験を得られるかもしれません。
成約できると満足感が得られる
OA機器の営業は成約にいたるまでのハードルがある分、達成すると満足感を得られ、やりがいにつながりやすくなります。
モチベーションも上がり、次の営業活動への意欲にもつながるでしょう。
また、成約できた機器が顧客に貢献していることで「このOA機器を提案してよかった」とやりがいを感じられるケースもあります。
OA機器営業に必要なスキル
OA機器の営業は、以下のスキルがあると活躍しやすくなります。
- コミュニケーション能力
- 営業経験
- OA機器の関連知識
営業に必要な学歴や資格は、特にありません。
OA機器メーカーや販売会社に入社後、必要な教育や研修を経て配属になることが多いでしょう。
ただし、OA機器の営業はコンサルタントの役割も期待されるため、OA機器の関連知識のほかに、対人スキルやコミュニケーション能力が必要です。
取っておくとよい資格は、普通自動車運転免許(第一種・第二種)やマイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)などです。
自動車を運転できると訪問エリアが広がり、効率的に営業できます。
また、マイクロソフトオフィス関連の資格を取っておくと、スムーズに資料を作成することが可能です。
ほかにも、情報処理技術者などIT関連の資格を取得していると優遇される可能性があります。
OA機器営業が上手くいくためのコツ3選
OA機器の営業をおこなう際には、以下3つのコツを押さえておくのがおすすめです。
- 顧客との信頼関係を築く
- 営業先の特徴を把握しておく
- 自社製品だけでなく他者製品の特徴も理解しておく
それぞれ解説するため、営業活動に活かしましょう。
1.顧客との信頼関係を築く
数ある競合のなかから選んでもらうためには、営業は顧客と信頼関係を築けるよう関わりましょう。
OA機器の説明だけでなく、顧客の悩みや困りごとをヒアリングし、解決策を提案して親身に対応する姿勢を見せることが大切です。
一度の訪問で済ませず、定期的に足を運んだり連絡したりして関わりを深くしていくと、信頼につながりやすくなります。
新たなOA機器へのニーズを見逃さないよう、契約後も継続してコミュニケーションを取ってください。
2.営業先の特徴を把握しておく
OA機器の営業は、営業先のストロングポイントやウィークポイントなどの特徴を理解したうえで提案することが大切です。
企業の特徴を把握して業務効率化に向けた提案をすることで説得力が出て、成約につながりやすくなります。
理解してくれていると企業が感じると、信頼関係にもつながりやすくなるでしょう。
3.自社製品だけでなく他社製品の特徴も理解しておく
OA機器の営業をする際には、自社製品だけでなく他社製品の特徴を理解しておくことが大切です。
提案時に他社の製品と比較したうえでの自社製品の強みを明確に伝えることで、信頼感も得られやすくなります。
また、自社製品の細かな部分もあらかじめ把握しておくことで、どのような質問にも対応できます。
顧客は安心感を覚え、成約につながりやすくなるでしょう。
テレアポ営業の成功率を高めるポイントは以下の記事でも解説しています。
テレアポのコツ9選|テレアポの成功率を高めるポイントや上手くいないときの対象方法を紹介
OA機器営業に向いている人
OA機器の営業に向いている人は以下のとおりです。
- OA機器関連に興味がある
- コミュニケーション能力がある
- 行動力がある
- 気持ちの切り替えができる
- 顧客に寄り添った提案ができる
OA機器の営業は、機器関連に興味があるとやりがいをもって働けます。
また、営業の仕方は飛び込みやテレアポで新規開拓する方法が一般的です。
気持ちの切り替えができる人や行動力がある人、顧客ファーストに提案できる能力・コミュニケーション能力がある人は、向いているでしょう。
OA機器営業の平均年収
厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査によると、OA機器の営業の平均年収は540.1万円です。
令和4年度における日本の平均年収は458万円であり、82万円ほど高いことがわかります。
労働時間が不規則になることもありますが、その分年収に反映する可能性があるでしょう。
OA機器の営業にコツを活かそう
今回は、OA機器の営業の仕事内容や必要なスキル、上手くいくためのコツなどを解説しました。
OA機器の営業はさまざまな業種を対象に、製品やサービスの説明・提案、契約などをおこなう仕事です。
飛び込み営業やテレアポ営業を主流とし、断られたり労働時間が不規則になったりすることで負担を感じることもあります。
しかし、営業により知識が増え人脈が広がることもあり、成約の達成感が得られることでもやりがいを感じられるでしょう。
上手く成約につなげるためには、営業先の特徴を把握して製品知識を備え、顧客との信頼関係を築けるような関わりを心がけることが大切です。
OA機器の営業に活かせるよう、ぜひ今回の記事を参考にしてください。