新店舗オープン準備|やることの流れを13のステップで解説
新店舗をオープンする夢を実現するには、綿密な準備が不可欠です。
開店に向けてやるべきことは多岐にわたり、なにから始めればよいのか迷ってしまう方も多いでしょう。
この記事では、新店舗オープン準備に向けてやるべきことの流れを13ステップでわかりやすく解説します。
具体的なステップを把握できると、スムーズに開店準備を進められます。
オープンまでに必要な期間や費用の目安も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
新店舗オープン準備でやることの流れ13ステップ
新店舗をオープンするには、綿密な準備と的確なステップが必要です。
開店までの流れを13のステップに分けて解説します。
1.店舗のコンセプトを決める
店舗のコンセプトはなにを売るのかだけではなく、「どのような顧客に来てほしいか」「顧客にどのような気持ちになってほしいか」を明確にすることが大切です。
コンセプトを検討する際は、5W1Hを活用して考えるとスムーズに明確化できます。
項目 | 内容 | 例:健康志向のカフェの場合 |
---|---|---|
誰に(who) | ターゲットとする顧客層 | 多忙だが健康志向の20~30代会社員女性 |
なにを(what) | 提供する商品・サービス | 仕事の疲れを癒すドリンクやヘルシーフード |
いつ(when) | 利用される時間帯・時期 | 通勤中・ランチタイム・外回り営業の隙間時間 |
どこで(where) | 店舗の立地・雰囲気 | オフィス街の近隣のさわやかな内装の店舗 |
どのように(how) | 提供方法・サービスの特徴 | 持ち帰り・イートイン |
このようにコンセプトを明確にすると、店舗のイメージが具体化され、開店準備を進めるうえで必要なメニューや内装、営業時間、マーケティング方法などを決めやすくなります。
2.市場調査をおこなう
成功する店舗開業のヒントをつかむためにも、市場調査は時間をかけて丁寧におこないましょう。
競合となりうる同業種の店舗について、以下の項目を重点的に調べることが重要です。
項目 | 具体的な内容 |
---|---|
経営状態 | 繁盛しているか、経営が安定しているか |
コンセプト | どのような顧客層をターゲットにしているか、どのような価値を提供しているか |
商品ラインナップ | どのような商品・サービスを提供しているか、価格帯はどのくらいか |
評判 | 顧客からの評判はどうか、どのような点が高く評価されているか |
これらの項目を調査すると、顧客ニーズや競合他社の状況を把握でき、自社の強みを明確にできます。
市場調査は、インターネット検索やSNS、口コミサイトなどを活用すると効率的です。
また、実際に競合店舗に足を運んで、顧客層や店舗の雰囲気などを観察する方法もあります。
3.店舗物件を選定する
店舗物件の選定は、立地条件と物件の状態、費用で検討しましょう。
項目 | 具体的な検討事項 |
---|---|
立地条件 | ターゲット層がアクセスしやすい場所か、周辺環境は事業に適しているか |
物件の状態 | 物件の広さや形状、設備などが事業のニーズに合致しているか |
費用 | 契約費用だけでなく、毎月の賃料や光熱費、修繕費なども含めて計算し、予算内に収まるか |
これらのポイントを踏まえ、事業コンセプトに合った物件を選ぶことが大切です。
たとえば、カフェを開業する場合、ターゲット層が20~30代の会社員女性であれば、オフィス街の近隣でアクセスしやすい場所が適しています。
内見時には、周辺環境の確認も重要です。
想定する営業日・時間帯に訪れ、人の流れや近隣店舗の状況などを観察すると、より具体的なイメージをもてます。
4.開業形態を決める
開業形態には、大きく分けて個人事業主と法人の2種類があります。
どちらの形態を選択するかによって、税金の計算方法や社会的な信用度などが変わります。
開業形態 | メリット | デメリット |
---|---|---|
個人事業主 | ・開業手続きが簡単 ・税金の種類が少ない | ・事業が個人に紐づくため、責任が重い ・社会的な信用度が低い |
法人 | ・社会的な信用度が高い ・資金調達がしやすい | ・開業手続きが複雑 ・税金の種類が多い |
開業形態は、事業の規模や将来の展望、資金状況などを考慮して決定しましょう。
判断に迷う場合は、税理士や中小企業診断士などの専門家に相談してみるのも一つの方法です。
5.事業計画書を作成する
資金調達を検討している場合、事業計画書の作成は必須です。
事業計画書とは、事業内容や将来的な見通しをまとめた資料のことです。
おもに、以下のような内容を記載します。
- 事業概要
- 出店エリア・物件
- 売上予測
- 資金計画
- その他、想定されるリスクとその対策など
事業計画書は金融機関が融資を判断する材料となる重要な資料であるため、計画性や実現可能性を具体的に示すことが重要です。
事業計画書の作成には、専門家のアドバイスを受けるのも有効な手段です。
行政機関や商工会議所などが無料相談会を実施している場合もあるため、積極的に活用しましょう。
6.資金調達をおこなう
資金調達には、おもに以下の方法があります。
- 融資
- 補助金・助成金
- クラウドファンディング
融資を受ける場合は、金融機関に事業計画書を提出し、審査を受ける必要があります。
返済計画を綿密に立て、無理のない範囲で借り入れをおこなうことが大切です。
補助金・助成金は返済不要ですが、それぞれに交付要件が定められています。
要件を満たしているか確認し、適切な補助金・助成金を選定しましょう。
クラウドファンディングは、インターネットを通じて不特定多数の人から資金を募る方法です。
目標金額の設定とプロジェクト内容の公開をして、共感を得た人々から資金提供を受けられます。
開業資金以外にも、設備の故障や追加の仕入れ、新商品開発、事業拡大など、さまざまな場面で資金が必要になる可能性があります。
予期せぬ事態に備え、複数の資金調達方法を検討しておくと安心です。
7.店舗の外装・内装、看板デザインを考える
店舗の外装・内装、看板デザインは、顧客の第一印象を決め、お店のコンセプトを伝える重要な要素です。
ターゲット顧客の好みに合わせたデザインにすると、集客効果を高められるでしょう。
デザインを考えるうえでの重要なポイントは、以下のとおりです。
- コンセプトとの整合性
- ターゲット顧客への訴求
- 使い勝手や安全性、清掃のしやすさ
- 予算
専門業者に依頼する場合は、綿密に打ち合わせし、イメージを共有することが大切です。
8.商品を調達したりメニューを開発したりする
商品の調達やメニュー開発は、コンセプトを体現する重要な要素です。
顧客のニーズを満たせると売上も上がりやすくなるため、時間をかけて検討しましょう。
商品の調達では、質・コスト・スピードのバランスが大切です。
高品質な商品であってもコストが高すぎると利益を圧迫するうえ、仕入れに時間がかかりすぎると販売機会を逃してしまう可能性があります。
また、メニュー開発では、コンセプトに沿った商品構成を意識してください。
ターゲット層の好みに合わせたメニューを提供できると、顧客満足度を高められます。
開業前に、いくつかの商品を試作・試食してみることで、提供する商品の品質や、オペレーションにおける問題点を事前に洗い出すことが可能です。
9.行政から開業の許認可を得る
新店舗のオープンには、許認可や届出が必要です。
特に、食品衛生法にかかわる飲食店などは、手続きを忘れずにおこないましょう。
食品衛生法で許認可、届出が必要な業種は以下のとおりです。
申請後には保健所の現地調査がおこなわれ、問題がなければ許可証が交付されます。
万が一、営業許可が下りなかった場合は、保健所の指示に従って調整をおこない、再申請する必要があります。
10.決済方法を選定する
顧客の利便性を高め、購買意欲を損なわないためにも、店舗で導入する決済方法は慎重に検討する必要があります。
多様な決済方法に対応できると、顧客はよりスムーズに会計を済ませられるようになり、購買体験の向上につながります。
特に、キャッシュレス決済の導入は、会計時間を短縮し、レジ周りの混雑を緩和する効果も期待できるでしょう。
顧客のニーズや店舗の特性を考慮し、最適な決済方法を選択することが大切です。
11.オペレーションを考える
オペレーションとは、接客、会計、在庫管理、清掃など、店舗運営における一連の作業手順を指します。
開店前にオペレーションを明確化しておくと、業務の効率化が図れるうえ、顧客満足度を高められるでしょう。
オペレーションは、以下の点を踏まえて検討します。
- 顧客の流れを意識する
- 業務をマニュアル化しサービスレベルの統一化を図る
- POSレジシステムや在庫管理システムなどのITツールを活用する
- 定期的に見直す
ITツールの導入は、業務効率化やデータ分析にも役立ちます。
売上データや顧客データなどの分析結果は、今後の店舗運営に活かすことが可能です。
安定した売上のためには、顧客のニーズや市場の変化に合わせて、柔軟に対応していくことが重要です。
12.スタッフを募集し教育する
スムーズな店舗運営には、優秀なスタッフの存在が欠かせません。
募集要項を作成する際には、必要なスキルや経験だけでなく、店舗の雰囲気に合う人物像も考慮しましょう。
採用後は、スタッフの教育に力を入れると、顧客満足度の向上につながります。
先輩スタッフがマンツーマンで指導するOJTや、研修やセミナーを通して知識やスキルを学べるOFF-JTなどを組み合わせておこなうと効果的です。
13.集客活動をおこなう
開店初日から多くの顧客に来店してもらえるよう、集客活動はオープン前からおこないましょう。
集客活動は、オンラインとオフライン両方の手法を活用すると効果的です。
たとえば、オンラインではWebサイトやSNS、Googleビジネスプロフィールなどがあげられます。
Googleビジネスプロフィールは、Googleで検索したときにマップとともに詳細な店舗情報を伝えられるツールで、無料で利用できます。
オフラインでは、開店前に実際に顧客に店舗の雰囲気やサービスを体験してもらうプレオープンイベントの開催がおすすめです。
イベントを通じて口コミが広がると、開店前から期待感を高める効果が得られます。
新店舗オープンの準備に必要な期間と費用
新店舗オープンの準備には、期間と費用が必要です。
ここでは、どのくらいかかるかの目安を紹介します。
オープンまでに必要な期間
実店舗の場合、準備からオープンまで最低でも約6カ月~1年はかかるでしょう。
改装に時間や手間を要さない居抜き物件が見つかれば、短い期間で準備できる可能性があります。
開業に必要な費用
日本政策金融公庫総合研究所の「2023年新規開業実態調査」によると、開業にかかった費用は以下のような割合でした。
開業費用 | 割合 |
---|---|
250万円未満 | 20.2% |
250万~500万円未満 | 23.6% |
500万~1,000万円未満 | 28.4% |
1,000万~2,000万円未満 | 18.8% |
2,000万円以上 | 9% |
参照:日本政策金融公庫総合研究所|2023年新規開業実態調査~アンケート結果の概要~p.10
500万円未満で、4割以上を占めています。
新店舗オープンに必要なことを押さえて準備を進めよう
新店舗オープンまでの流れを理解し、各ステップで必要な事項を確実に実行しておくと、成功の可能性を高められます。
オープンまでのスケジュールを立てる際には、各タスクの期限を明確にし、準備を進めましょう。
新店舗がうまく成功するためには、マーケティングも不可欠です。
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