O2Oで連携できるシステム4選|導入メリットと選び方を解説
効果的なO2Oマーケティングを図るために、連携すべきシステム選びに迷う担当者もいるでしょう。
オンラインシステムと連携すると、顧客へのスムーズな提案・案内ができるほか、自社のマーケティング活動の効率化も図れます。
この記事では、O2Oで連携できる4つのシステムと導入によるメリット、自社に合う連携システムの選び方を解説します。
統合的なマーケティング戦略の見通しが立てられるよう、ぜひ参考にしてください。
O2O連携システムとは
O2O(Online to Offline)とは、オンラインの顧客接点を活かし、オフラインでの購買行動を促すというマーケティングの考え方です。
オンラインシステムとの連携により、顧客との価値観のずれをなくし、効果的な集客を図れます。
株式会社プラストのモバイルマーケティングでは、システム連携で以下のような事例があります。
- 顧客ニーズの高いタイミングに合わせ、パンの焼きあがり時間を発信
- スタッフを感じさせない気軽さでプライベートサロンでの異性集客も可能
自社に必要なシステムとの連携により、顧客一人ひとりへの最適な購買体験の提供が可能です。
O2Oで連携できる4つのシステム
O2Oで連携できるシステムは、おもに以下の4つです。
- ECサイト
- スマートフォンアプリ
- SNS
- 位置情報
それぞれの連携でできることを解説します。
1.ECサイト
ECサイトは、O2Oで連携する代表的なシステムです。
POS(販売管理システム)とECサイトの連携により、顧客情報や在庫情報などを共有でき、業務効率化やタイムリーな顧客対応を図れます。
POSレジは売上情報を蓄積しており、人気商品や顧客の属性、時間帯ごとの売上額などがわかります。
そのデータを分析し、マーケティングに活用することも可能です。
連携時には、実店舗とECサイトのポイントを共通化させるのもおすすめです。
顧客はどちらで買い物をしてもポイントを活用しやすくなり、顧客体験の向上を図れるでしょう。
2.スマートフォンアプリ
O2Oでスマートフォンアプリと連携すると、顧客との接点を強化できる強力なツールになります。
顧客行動データの取得・分析で、パーソナライズ化された情報配信やクーポン発行などがしやすくなり、顧客体験の向上につながります。
来店ポイントシステムと連携したアプリを導入すると、顧客はアプリを通してクーポンやポイントを受け取れる一方で、店舗側は来店促進につなげられるでしょう。
また、オフラインイベントと連動したアプリでは、参加者は楽しみながら商品やサービスの情報を把握できます。
スマートフォンアプリは顧客からの信頼や愛着の向上(顧客ロイヤルティ)を実現するための多様な機能を提供できるため、連携におすすめの施策です。
3.SNS
近年、利用者の多いSNSは、O2O施策と相性が良いツールの一つです。
以下のような方法により、オンライン上での顧客との接点を増やし、来店を促せます。
- クーポンコードの発行
- キャンペーン情報の発信
- 新商品や人気商品の情報発信
- 既存顧客へのシェア促し
- ハッシュタグマーケティング
- インフルエンサーマーケティング
「#○○」というハッシュタグを活用した投稿は、興味・関心のあるターゲット層に届きやすくなるうえ、拡散力も高くなります。
ハッシュタグマーケティングと呼ばれる手法であり、SNSでは必須レベルの施策です。
また、SNS上で大きな影響力をもつインフルエンサーに、自社の商品やサービスを紹介してもらうと、ファンであるフォロワーに効果的に訴求できます。
SNSは顧客との距離を縮めながらオンラインとオフラインを効果的につなげるツールであり、O2O施策において連携が重要なシステムといえます。
4.位置情報
位置情報システムとの連携は、実店舗をもつ企業にとって有効なO2Oマーケティング施策の一つです。
スマートフォンなどのデバイスの位置情報を利用して、顧客にタイムリーに情報を提供できます。
システム連携により、店舗の近くに来たタイミングでプッシュ通知をしたり、入店でクーポンを発行したりなどができます。
ただし、連携前にはユーザーのプライバシーへの配慮が必要です。
位置情報を利用する際には、ユーザーの許可を得たうえで取得するオプトイン方式を採用しましょう。
O2O連携システム導入のメリット
O2O連携システムの導入には、オンライン・オフラインデータの統合により顧客体験の向上と顧客満足度アップを図れるメリットがあります。
新規顧客の獲得とリピーター育成につながり、売上増加の可能性も高まるでしょう。
O2O連携システム導入のメリットを詳しく解説します。
オンライン・オフラインデータが統合できる
O2Oでシステムを連携すると、これまで別々に管理されていたオンラインとオフラインの顧客データが統合できるようになります。
顧客の行動履歴をより包括的に把握できるため、それぞれの顧客ニーズに合ったきめ細やかなマーケティング施策が図れるでしょう。
顧客情報の統合により、オンラインでの購買履歴から実店舗での商品案内やクーポン配信など、One to Oneマーケティングが可能になります。
なお、O2OマーケティングとOne to Oneマーケティングの違いについては、以下の記事も参考にしてください。
O2Oマーケティングとは?OMO・One to Oneとの違いや成功事例の秘訣を解説
顧客体験の向上と顧客満足度アップが図れる
O2Oでシステムを連携すると、顧客一人ひとりに最適化された体験を提供できるようになり、顧客満足度の向上につながります。
顧客の行動に対し、O2O連携システムの導入でできることは以下のとおりです。
顧客の行動 | O2O連携システムでできること |
---|---|
実店舗に来店 | 顧客のスマートフォンアプリに来店ポイントを付与、クーポンを配信 |
ECサイトの閲覧 | 顧客の閲覧履歴に基づき、おすすめ商品をパーソナライズして表示 |
スマートフォンアプリの起動 | 位置情報に基づき、近隣店舗の情報やアプリ限定クーポンを配信 |
SNSで企業アカウントをフォロー | 新商品の案内やキャンペーン情報の自動配信 |
商品の購入 | 履歴に基づいたレビュー依頼や関連商品のレコメンド送信、ポイント付与や会員ランクに応じた特典案内 |
企業はシステムの連携で、顧客の行動に合わせた最適な情報やサービスを、タイムリーに提供できます。
その結果、顧客は自分に合わせた特別な体験ができると感じ、企業へのエンゲージメントやロイヤリティを高める効果が期待できます。
新規顧客の獲得とリピーター育成につながる
O2O連携システムは、新規顧客の獲得とリピーターの育成に効果を発揮します。
オンラインは広い範囲に情報を発信できるため、多くの潜在顧客に自社商品やサービスの良さを知ってもらえます。
配信したクーポンで来店のきっかけを作ると、これまで利用する機会のなかった顧客を新たに獲得しやすくなるでしょう。
連携によるデータ統合により、顧客の購買履歴や行動履歴などを踏まえた一人ひとりに合わせた情報発信やクーポン配信も可能です。
ニーズに合った商品やサービスの提供は、顧客満足度を高めリピーターの育成につながります。
売上増加の可能性が高まる
O2O連携システムの導入は、オンラインとオフライン両方の顧客接点を強化できるため、売上拡大が目指せます。
たとえば、オンラインストアで会員登録を促し、実店舗と連携したポイントサービスを展開すると、顧客の来店頻度や購買単価の向上が期待できます。
オンラインストアで商品を閲覧した顧客に対し、実店舗の在庫状況をリアルタイムで表示して、来店を促すことも可能です。
また、オンラインストアで収集した顧客データ分析結果に基づき、実店舗での品揃えやキャンペーン内容を最適化すると、顧客ニーズに合致した商品展開や販売促進ができ、売上増加につながるでしょう。
O2O連携システムの選び方
O2O連携システムを選ぶときには、導入の目的や機能、拡張性、連携可否など検討すべきポイントもあります。
選ぶ際のポイントを解説します。
自社の目的と合っているか
O2O連携システムを導入するときには、自社の目的と合っているか確認しましょう。
目的に沿った連携システムでなければ、費用対効果の低い施策になる可能性があります。
目的ごとの適切なシステムや機能には、以下が考えられます。
目的 | 必要な内容 | 連携システム・機能例 |
---|---|---|
売上アップ | 購買促進 | ECサイト連携、クーポン発行機能、ポイントシステム、プッシュ通知、会員管理機能 |
顧客満足度アップ | パーソナライズ化された顧客体験の提供 | CRM(顧客関係管理)連携、POS連携による顧客行動の分析や行動履歴に基づいたレコメンド機能、アンケート機能、予約機能 |
認知度アップ | 多くの顧客へのリーチ | SNS連携、広告配信機能、位置情報連携 |
O2Oの目的は最終的に来店による購買活動ですが、その背景にある企業の希望は「単純に売上を上げたい」「企業の成長に向けて顧客満足度のアップも図りたい」「新たなターゲット層にアプローチしたい」など、さまざまです。
システムを選ぶ際には、自社の目的を明確にして、優先順位を立ててシステムや機能を検討することが大切です。
機能が充実しており使いやすいか
O2O連携システムを選ぶときには、機能の充実性に加え、使いやすさが重要なポイントです。
顧客情報を一元管理できる機能や、顧客の属性・行動履歴に基づいたターゲティング配信機能など、O2O連携システムによって使える機能は多岐に渡ります。
そのため、自社に必要な機能が備わっているか、使いこなせるシステムであるかを事前に見極める必要があります。
拡張性と他システムとの連携はどうか
O2O連携システムを選ぶ際には、将来的なビジネスの成長に対応できる拡張性をもっているか、他システムとの連携ができるかどうかも重要な検討ポイントです。
現状の規模感だけでシステムを選んでしまうと、後々システムの移行や追加開発が必要になり、余計なコストや手間がかかってしまう可能性があります。
そのような事態を避けるためにも、将来的な事業拡大や顧客増加も考えたシステムを選びましょう。
また、顧客管理システムやPOSシステム、会計ソフトなど、既に導入しているシステムとの連携がシームレスにおこなえるかどうかは、業務効率化に関わります。
連携がうまくいかなければ、システム間の不具合が生じて業務が煩雑になってしまう可能性があるため、自社で利用しているシステムとの連携可否も事前にしっかり確認してください。
コストパフォーマンスとサポート体制は十分か
コストパフォーマンスの良さとサポート体制の充実度も、O2O連携システムを選ぶうえでの重要な検討ポイントです。
O2O連携システムの導入費用やランニングコストは、システムやサービス内容によって異なります。
そのため、自社の予算を踏まえ、複数のO2O連携システムを比較することが大切です。
また、導入後もシステムをスムーズに運用していくために、十分なサポート体制があると安心です。
連絡体制や対応可能な時間帯のほか、マニュアルやFAQが丁寧でわかりやすくなっているか、自社に適した内容で提案してくれるかなどのポイントで判断しましょう。
効果的な集客に向けて自社に合うO2O連携システムを導入しよう
O2Oでシステムを連携すると、自社はマーケティング活動が効率化できるうえ、パーソナライズ化された提案・案内ができることで顧客満足度の向上も図れます。
連携できるおもなシステムには、ECサイトやスマートフォンアプリ、SNS、位置情報などがありますが、自社に適したものを選ばなければ費用対効果が悪くなります。
連携システムは、機能の充実性や使いやすさ、拡張性、サポート体制なども踏まえて検討しましょう。
株式会社プラストでは、モバイルマーケティングとして、顧客管理やアフターフォロー、口コミなどを活用した来店のきっかけづくりをお手伝いしています。
飲食業や美容業、医療業など、さまざまな業種で導入実績がありますので、効果的なマーケティング戦略を図りたい担当者の方は、ぜひ一度ご相談ください。