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固定電話からIP電話への切り替えに必要な手続きは?番号や料金などの違いも解説

2024年5月31日
固定電話からIP電話への切り替えに必要な手続きは?番号や料金などの違いも解説

NTTでは、アナログ固定電話は2025年までにインターネットを利用したIP電話に切り替えることが発表されています。

ほかのプロバイダはどうすべきか、切り替える際に必要な手続きはあるのか、料金や電話番号は変わるのか気になることでしょう。

この記事では、固定電話とIP電話の違いや切り替えるメリット・デメリット、手続きの方法を解説します。

IP電話を導入したほうがよい企業も紹介するので、切り替えるときの参考にしてください。

IP電話・固定電話とは

IP電話・固定電話とは

IP電話と固定電話の違いは、電話をつなげる回線の種類です。
まずは、それぞれの違いを把握しましょう。

IP電話とは

IP電話とは、3Gや4Gなどのインターネット回線を利用した電話サービスです。

VoIP(Voice over Internet Protocol)と呼ばれる機械の言語を使い、声を電気信号に変換したあと、インターネット回線に流しやすいIPパケットに変えます。

インターネット回線により目的地に届けられたIPパケットは、相手側のVoIPゲートウェイへ届いたあと電気信号に再変換され、電話機や端末を通じて声に復元され相手と通話可能になります。

サービス提供元は、プロバイダの接続先です。
音声以外にビデオ通話もできるため、リモート会議などにも使えます。

固定電話とは

固定電話とは、一般的には銅線を利用した通信網であるアナログ回線を使った電話サービスのことをいいます。
多くが、端末を特定の場所に設置して利用します。

アナログ回線は、主に以下の2種類です。

  • プッシュ回線:番号をプッシュしたときの音の周波数で発信する
  • ダイヤル回線:ダイヤルを回した電流の強さを区別して発信する

なかには、インターネット回線を使った固定電話もあります。

NTTのアナログ固定電話はIP電話切り替えへ

NTTのアナログ固定電話はIP電話切り替えへ

NTTでは、順次アナログ固定電話をIP網と呼ばれる通信に移行しています。

その理由は、固定電話の需要が減少したため、電話サービスのために用いられている公衆交換電話網(PSTN)の設備(中継交換機・信号交換機)が2025年頃に維持限界を迎えるためです。

移行後に電話番号が変わることはなく、電話機もそのまま使用できます。
通話料金はスマートフォンなどへの通話を除いて、全国一律9.35円/3分です。

なお、そのほかのプロバイダには申し込みが必要です。
切り替え時期と対象の回線を解説します。

切り替え時期

NTTのアナログ固定電話からIP電話への切り替え時期は、2024年1月1日から2025年1月までです。

公衆交換電話網の中継・信号交換機の維持限界点である2025年を過ぎるとNTTが赤字に転じてしまう懸念により、早めの時期から切り替えが始まりました。

対象の回線

NTTがIP電話へ切り替える電話回線の種類は、以下の2つです。

  • アナログ回線:電話機を銅線(メタル線)でつないで音声をそのまま伝える回線
  • ISDN回線:音声データをデジタル信号に変換し銅線で送受信する、アナログ回線を使ったデジタル回線

EDIやPOSなどの専用端末との通信に使われることの多いINSネットのディジタル通信モードも段階的に終了しており、2028年12月31日をもってサービス提供を終了予定です。

IP電話と固定電話の違い

IP電話と固定電話の違い

IP電話と固定電話は、以下の項目で特徴が異なります。

  • 料金
  • 電話番号
  • 通信品質

違いを解説します。

料金

IP電話のほうが、状況によっては固定電話より通話料金を抑えられる可能性があります。

インターネット回線を利用するIP電話は距離による料金の変動がありませんが、アナログ回線を利用する固定電話は遠いほど高くなります
その理由は、遠方であるほど交換局をいくつか経由する必要があるためです。

ただし、NTTにおける固定電話は2024年1月1日から、県内・県間通話の料金は全国一律9.35円/3分になりました。(スマートフォンなどへの通話料金は除く)

また、導入時にかかる費用では、回線の開通工事が必要な固定電話のほうが、IP電話より高くなる傾向があります。

電話番号

IP電話と固定電話は、電話番号が変わります。

固定電話は10桁の市外局番から始まる電話番号で、最初の番号が北海道地方なら「01」、東京を含む南関東地方なら「03/04」、九州地方なら「09」です。

そのため、着信を受けたほうは、番号を見てどこの地域から電話がきたのかを把握できます。

一方、IP電話はおもに「050」で始まる電話番号です。

ただし、IP電話でもプロバイダによっては、市外局番から始まる番号の取得が可能です。

詳しくはプロバイダへ問い合わせましょう。

通話品質

通話品質は、通話専用のアナログ回線を利用する固定電話のほうがよい傾向にあります。

インターネット回線を利用するIP電話の通話品質は、電波状況に左右されます。
そのため、回線の混雑や障害の発生時には、通話が途切れる・つながらなくなるなどのトラブルが生じやすくなるでしょう。

なお、NTTの光回線を利用したIP電話では、ADSL回線のIP電話より優れた通話品質を得られます。

固定電話からIP電話へ切り替えるメリット・デメリット

固定電話からIP電話へ切り替えるメリット・デメリット

固定電話からIP電話に切り替えるメリット・デメリットを解説します。

メリット

固定電話からIP電話への切り替えには、以下のメリットがあります。

  • 費用が抑えられる
  • システムやアプリケーションと連携しやすく出社の必要がない
  • 回線数を調整しやすい

IP電話は初期の工事費は不要で、距離による料金変動もありません。

パソコンやスマートフォン連携ができると、オフィスと同じように電話の受発信ができるため、働き方にも柔軟性をもたせられます。

機種によっては、コンピューターと連動して着信元の顧客情報をパソコンの画面に表示させ、スムーズな対応ができるようにすることも可能です。

また、IP電話は回線数の調整がしやすい特徴もあり、社員数の増減にも対応しやすくなります。

デメリット

固定電話をIP電話へ切り替えると料金や利便性などのメリットがある一方で、以下のデメリットがあります。

  • 快適なインターネット環境が必要になる
  • 緊急電話やフリーダイヤルには発信できない
  • 停電時は使用できない

IP電話の音声品質や安定性はインターネット回線の種類に影響するため、プロバイダを慎重に検討し、環境をチェックすることが大切です。

また、IP電話は110や119などの緊急電話やフリーダイヤルに発信できないうえ、停電時には使用できなくなるため、緊急時の対処法は考えておく必要があります。

IP電話に切り替えず固定電話のまま利用するメリット・デメリット

IP電話に切り替えず固定電話のまま利用するメリット・デメリット

プロバイダによっては、アナログ回線を使用した固定電話を継続して利用できます。

ここでは、IP電話に切り替えず固定電話のまま利用するメリット・デメリットを解説します。

メリット

IP電話に切り替えず固定電話のまま利用すると、以下のメリットがあります。

  • 手続きや管理がしやすい
  • FAXも併用できる
  • 社会的な信用度が高い

固定電話の番号があると、会社を運営するために必要な手続きや管理がスムーズにおこなえます。

金融機関への融資を申し込むときや法人用のクレジットカードを作成するときなどの書類には、固定電話番号の記載が必要になるケースもあります。

また、FAXはビジネスでの受発注に需要のある機能であるため、併用できる固定電話のほうが便利でしょう。

市外局番から始まる電話番号は、地域に根ざした企業であることをアピールでき、顧客や取引先からの信用も得られやすくなります。

ただし、IP電話でもプロバイダによっては市外局番から始まる電話番号が取得可能です。
サービスごとの特徴を把握したうえで、検討するのがおすすめです。

デメリット

固定電話には手続きの手間や社会的信用度などのメリットがある一方で、以下のデメリットもあります。

  • 導入時や解約時に工事が必要になる
  • 移転すると電話番号が変わる

固定電話は新たに回線を導入したり、解約したりする際に、工事費用がかかります。

また、基地局をまたぐエリアに会社を移転させると電話番号が変わるため、番号を記載しているWebサイトやパンフレットなどをすべて変更し、顧客に伝える手間もかかります。

固定電話からIP電話への切り替えがおすすめの企業

固定電話からIP電話への切り替えがおすすめの企業

固定電話からIP電話への切り替えは、企業によって必要性が変わります。
切り替えがおすすめなのは、導入や時間へのコストを抑えたい企業です。

遠方に支店があったり、やり取りの多い取引先があったりする場合、料金が変わらないIP電話のほうがよいでしょう。

すでにオフィスにインターネット回線が開通している場合には、IP電話へ切り替える導入工事も必要ありません。

一方、営業の電話をかける機会が多い企業・FAXを使う機会の多い企業・通話品質の安定性を求める企業は固定電話のほうがおすすめです。

特に、営業電話は「050」で始まる番号より、市外局番から始まる番号のほうが電話を取ってもらいやすくなります。

市外局番から始まる番号が取得できるプロバイダもありますが、一部では対応していないため注意が必要です。

NTTの場合は、そのまま利用できます。

固定電話からIP電話への切り替えで必要な手続き

固定電話からIP電話への切り替えで必要な手続き

NTTのIP網移行にともない、アナログ固定電話からIP電話に切り替える場合は、手続きは不要です。

IP網移行はNTT側の設備を切り替えるためのものであるため、追加工事・料金・電話機の交換などは発生しません。

IP電話に自動で移行し、以前と同じ電話番号で利用できます。
また、通話料金も自動で変更されています。

なお、NTT以外のプロバイダでは手続きが必要です。
その場合は、プロバイダに申し込み、必要な機器を受けとり、開通完了後に利用できます。

ただし、IP電話はインターネット回線を利用するため、立ち会いの必要な工事はありません。

手続きを期に、ビジネスフォンを導入するのもおすすめです。

ビジネスフォンは内線電話や転送機能など電話業務の効率化が図れる機能が充実しており、1回線を複数台の電話機が共有できるため、通信費を大幅に削減できます。

ビジネスフォン向けの電話回線種別の選び方については、以下の記事も参考にしてください。

ビジネスフォン向け電話回線種別の選び方|メリット・デメリット

固定電話からIP電話への切り替え時にはOA機器サービスが便利

固定電話からIP電話への切り替え時にはOA機器サービスが便利

固定電話からIP電話へ切り替えるときには、OA機器サービスの利用が便利です。

株式会社プラストが提供するOA機器サービスは、会社の規模や使用用途に合わせた機器の選択、販売・リースなどをコンサルティングし、納品からその後のサポートまで一括管理しています。

専門スタッフは業務効率UP・通信費削減・情報漏えい対策・ウィルス対策などのノウハウを身に付け、安心・快適に仕事ができるオフィス環境づくりをサポートしています。

ビジネスフォンでは、豊富な機能を搭載した最新の機器を用意しており、導入により通信費削減・業務効率改善・セキュリティレベルの向上を実現することが可能です。

光回線を利用して拠点間を内線化したり、スマートフォンを内線化したりすることで、働きやすく効率的に業務できるようになるでしょう。

固定電話からIP電話へ切り替えたときの違いを把握しておこう

固定電話からIP電話へ切り替えたときの違いを把握しておこう

今回は、IP電話と固定電話の違いや切り替え方法、切り替えがおすすめの企業などを解説しました。

NTTでは2025年1月までをめどに、自動でアナログ固定電話からIP電話へ移行が完了する予定です。
特に必要な手続きはなく、電話番号もそのまま利用できて料金も自動で反映されます。

ただし、プロバイダによっては手続きが必要になるため、注意しましょう。
その場合はIP電話と固定電話の違いを把握し、どちらが自社に適しているかを踏まえて検討することが大切です。

IP電話は導入に時間やコストを抑えたい企業に、固定電話は通話品質の安定性や市外局番からの電話番号を求める企業におすすめです。

迷う方は、ぜひプラストのOA機器サービスも検討してください。
通信システムをはじめ、オフィスに関する総合的なサービスとサポート体制を整えています。

プラストのOA機器サービス

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