SEOを意識した専門性とは|E-E-A-Tを重視する目的と方法
SEOとはSearch Engine Optimizationの頭文字を取った言葉で、検索エンジン最適化を意味します。
SEO対策はひとつではなく、ユーザーの観点から見たものや、サイト構築の際に気を付けておきたいものがあります。
E-E-A-Tという言葉をご存知でしょうか?
E-E-A-Tはサイトの品質を向上させるための指標とされており、SEO対策をしていく上で欠かせません。
〈この記事を読んでわかる内容〉
- E-E-A-TがなぜSEOに重要なのか
- サイト作成の際に知っておきたいYMYLとは
- E-E-A-Tが高いサイトを構築するポイント
サイトのコンテンツを作成する上で、専門性以外にも取り組むべき項目があります。
E-E-A-Tについて理解し、質の高いサイト構築を目指しましょう。
SEOの専門性を高める「E-E-A-T」
E-E-A-Tとは、「ダブル・イー・エー・ティー」もしくは「イー・イー・エー・ティー」と読みます。
「Experience(経験)」「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trust(信頼性)」の4つの言葉の頭文字をとった言葉です。
Googleが良質なウェブサイトであるかを判断するための基準としているもので、SEOを意識するのであれば無視できません。
- Experience:経験
- Expertise:専門性
- Authoritativeness:権威性
- Trust:信頼性
それぞれの言葉が「なぜSEOにとって重要なのか」を確認していきましょう。
Experience:経験
SEO上におけるウェブサイトの
「経験(Experience)」とは、コンテンツを作成した者が、その内容についてどの程度の経験をもっているのか、という要素です。
コンテンツ作成者が実際に経験した内容、体験談、自らが調査をした内容であるかという点が問われます。
これらは一次情報と呼ばれ、他社のブログやSNSを参考にして作成したコンテンツ(二次情報)よりもより有益な情報としてGoogleが評価するとされています。
Expertise:専門性
専門性(Expertise)は、そのコンテンツが特定のジャンル内で高い知識やスキルをもっているかを問う要素です。
トピックに特化した内容であるだけでなく、より深い専門性があるかが重要です。
- 特化されたテーマでサイトが統一されているか
- ユーザーの問題解決ができるか
- 専門的な情報が網羅されているか
という点が評価されると考えられます。
専門性の高いサイトは、より早く的確にユーザーのニーズを満たせます。
例えば、医療系のサイトであれば素人がまとめた雑多ブログよりも医療機関の情報の方が専門性が高いと判断されます。
専門性を追求するのであれば、サイト構築の際に1つのジャンルに特化した内容に絞っていくよう心がけましょう。
Authoritativeness:権威性
権威性(Autoritativeness)とは、社会的な承認の有無や度合いを表す言葉で、ウェブサイトが特定のジャンルの中で価値があるものだと示すものです。
Googleが定める検索品質評価ガイドラインにおける、サイトの評価基準のひとつとなっています。
サイト内のコンテンツだけでなく、「誰が語っているのか」という点が重要視されます。
- 第三者から評価されているか
- 社会的認知度がある企業・組織・団体が運営するサイトか
- 他社のサイトやSNSで紹介されているか
このような内容として認められると権威性があると判断され、SEOに反映されるといわれています。
サイトの権威性は短期間で獲得できるものではないので、長期的な戦略をもって成長させていきましょう。
Trust:信頼性
信頼性(trust)とは、サイトのコンテンツや運営者が信頼できるのか、サイトが安全なのかという点が評価されます。
匿名性の高いものではなく、運営元が確認でき、コンテンツの内容は信頼できるものなのかが問われます。
E-E-A-Tの経験、専門性、権威性が保たれた上で、ユーザーに対して責任や安全性の情報を開示しておきましょう。
- コンテンツはオリジナリティのある内容か
- サイトはSSL化(HTTPS化)された安全なものか
- 企業情報・利用規約が明確に記載されているか
せっかく専門性の高いサイトを作ったとしても、匿名性が高くSSL化されていないサイトでは信頼性がないと判断されてしまいます。
ユーザーからもGoogleからも信頼されるサイトの構築を心がけていきましょう。
YMYLとは
YMYLとは、「Your Money or Your Life」の頭文字を並べた言葉で、「あなたのお金や生活」という意味があります。
2013年にGoogleが提唱した概念で、個人の経済や資産、健康や安全といった生活に大きな影響を与える内容かを問い、コンテンツの品格を保つ目的があります。
- YMYL分野におけるSEOとE-E-A-T
- YMYLの領域で勝負する注意点
- YMYLのテーマ・カテゴリの代表例
YMYLがSEOにとって重要である理由や、取り扱いについてご説明します。
YMYL分野におけるSEOとE-E-A-T
YMYL分野のサイトにとって、E-E-A-TのポイントはGoogleの評価対象になると考えられるでしょう。
例えば、特定の病に悩む人が情報収集をしようとした際に、間違った情報を信じてしまうと病気の悪化や生死を脅かす状態を招きかねません。
しかしGoogleはE-E-A-Tの評価を目的にしているのではなく、これらはあくまでも手段です。
本質はユーザーファーストであり、ユーザーにとって有益な情報が記載されたサイトであるか、利便性の高いサイトであるかという点を評価しています。
YMYLの領域で勝負する注意点
YMYL分野のサイトは、スピード感や娯楽性ではなく、正確性や信頼性がより重視されます。
E-E-A-Tでいう専門性や権威性が重要になる傾向があります。
例えば新型コロナウイルスの情報を検索すると、体験談を綴った個人ブログではなく、政府機関の公式発表が上位表示されていました。
これはGoogleにとってもユーザーに間違った情報を提供しないための対策のひとつとなります。
そのためYMYL分野では、どんなにユーザーファーストを意識して良質なコンテンツを作成したとしても、それだけでは上位表示させるのが難しくなってしまうかもしれません。
YMYLのテーマ・カテゴリの代表例
では具体的にYMYLのテーマ・カテゴリとは、どのような内容になるのかを確認してみましょう。
テーマ カテゴリ | 内容 |
医療 | 薬 病院 予防方法など |
政治 | 選挙 政府 機関公的 機関法的など |
財務 | 税金 ローン 投資 保険など |
法律 | 離婚 遺言 養子縁組など |
国民 | 宗教 国籍 人種民族など |
ショッピング | 商品 店舗 決済 返品など |
これらの情報は、人の生活や経済的な問題に大きく関与するものであると理解できます。
E-E-A-T同様に高い評価が求められますが、特定の基準があるものではありません。
明確な判断ができるボーダーラインがあるわけではありませんが、総合的に良質なサイトと判断されるための指標になるものだと覚えておきましょう。
SEOで専門性を高める方法
専門性がありE-E-A-Tが高いサイトを構築するためには、このようなポイントを意識してみてください。
- 監修を受け専門性を上げる
- サイト運営者・コンテンツの作成者・出典を記載する
- 一次情報で専門性を上げる
- 自然な被リンクを獲得する
- サイテーションを獲得する
- サイトをSSL化(HTTPS化)する
- Googleビジネスプロフィールに登録する
- whois情報を公開する
監修を受け専門性を上げる
サイトの専門性を意識するのであれば、とあるジャンルに特化した内容のコンテンツを作成し、有識者や専門家の監修を受けるようにしましょう。
サイト内に、関連性のない記事がいくつもある状態では、専門性のあるサイトとは言えません。
例えコンテンツ作成者が専門家でなかったとしても、監修を受けていればE-E-A-Tの評価が高くなると期待できます。
監修を受ければ、必ずしもコンテンツ作成者が専門性を高める必要はありません。
ただし形だけの監修をつけても意味がありませんので、サイト内のコンテンツを充実させておくというのは言うまでもありません。
サイト運営者・コンテンツの作成者・出典を記載する
「誰が書いた記事なのか」というのは、その記事に信頼性があるのかの判断材料となります。
有識者や専門家が書いた記事であれば、信頼性だけでなく、専門性や権威性も確保できると考えていいでしょう。
監修がなくても、どこから発信されているサイトなのかを明確にさせるべきです。
サイト運営元はどこなのか、コンテンツの作成者や出品元を表記し、信頼できる情報であると明記します。
出品元も重要で、公的機関や専門機関など信頼できる機関からの情報を用いるようにしましょう。
一次情報で専門性を上げる
情報には3つのレベルがあります。
一次情報 | 自分自身が体験した情報 |
二次情報 | 信頼できる人から聞いた話や 書籍から得た情報 |
三次情報 | 情報源が不明な 噂話のような情報 |
独自の体験談などの一次情報は、専門性や信頼性のあるサイトの構築へと繋がります。
サイトの運営元やコンテンツ作成者を明記した上で、ユーザーの求めている一次情報を提供するようにしましょう。
自然な被リンクを獲得する
被リンクとは、外部のサイトから自社サイトに貼られたリンクで、外部リンクやバックリンクとも呼ばれます。
「ユーザーの参考になる」「信頼を集めているサイト」は、自然と被リンクが集まるものなので、GoogleもSEOの参考にしていると考えていいでしょう。
権威性のあるサイトからの被リンクがあると理想的ですが、あくまでも自然な被リンクを獲得するようコンテンツを充実させていきましょう。
サイテーションを獲得する
サイトテーションとは、自社の社名やブランド、サイト名などがインターネット上で記載されている状態です。
リンクが貼られている必要はなく、サイトテーションの獲得でも権威性に効果があると考えられます。
権威性のあるサイトからの被リンクだけでなく、個人SNSからのサイトテーションも自社サイトの権威性に繋がると覚えておきましょう。
サイトをSSL化(HTTPS化)する
SSL化(HTTPS化)とは、インターネットのデータを暗号化する仕組みのひとつでサイトの安全性を向上させてくれるものです。
総務省「SSLの仕組み|情報セキュリティ関連の技術」でも推奨されており、Googleでのランキング要因としても対策するべき項目のひとつです。
決済が必要なサイトや個人情報を扱う場合には、YMYL領域として安全性確保のためにSSL化(HTTPS化)は必須項目となります。
Googleビジネスプロフィールに登録する
Googleビジネスプロフィールとは、Googleが提供する情報管理ツールで無料で利用可能です。
Googleビジネスプロフィールに登録すると、Googleで検索した時のお店情報やマップ検索で表示されるようになります。
実在している企業であるとGoogleが認識するため、サイトの信頼性の向上へと繋がります。
お店を経営しているのであれば住所や営業時間がGoogleで表示されるようになるので、初めてでも来店しやすくなるというメリットもあります。
whois情報を公開する
whois(フーイズ)情報とは、インターネットユーザーが誰でもIPアドレスやドメイン名の登録者情報を確認できるサービスです。
whois情報を公開しておくと、ウェブサイトの運営者情報のひとつとなり、Googleに対して自社サイトがスパムではないと証明することにもなります。
E-E-A-Tに特効薬はない
E-E-A-TはSEO対策にとって重要な項目だとお伝えしてきましたが、何かをすれば劇的に検索順位が上がると確約できるものではありません。
ユーザーにとって有益で充実したコンテンツを作成するべきだというGoogleの方針は、以前から一貫されたものです。
検索順位で1位を獲得するのは重要ですが、最終目的ではないはずです。
E-E-A-Tをサイト構築の参考にしながら、より質の高いコンテンツを追求していきましょう。
より専門性の高いサイトでSEO対策を
E-E-A-Tが高いサイトを構築するのは、より専門性の高いサイトを追求するという意味でもあります。
これらの意味をきちんと理解すれば、SEO対策は一朝一夕にはいかないとわかります。
作成したサイトでの本来の目的は何か、SEO対策がうまくいった後にしたいのは何か、という点を重視し、ウェブサイトをビジネスに上手く活用していきましょう。