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美容院(美容室)開業の流れは?手続き・資金などやることリストを解説

2025年4月5日
美容院(美容室)開業の流れは?手続き・資金などやることリストを解説

美容院(美容室)開業には、資格取得から開業準備、行政手続きまで、多くのステップが必要です。
どこから始めればよいのかわからず、不安な方もいるでしょう。

この記事では、美容院(美容室)の開業前に押さえておくべきことや、開業までの流れをステップ形式で解説します。
スムーズな開業のために、ぜひ参考にしてください。

美容院(美容室)の開業前に押さえておくべきこと

美容院(美容室)の開業前に押さえておくべきこと

美容院(美容室)の開業にあたり、開業スタイルと開業までの期間について把握しておくと、スムーズな開業準備につながります
以下で詳しく解説します。

開業スタイルの種類

美容院(美容室)の開業スタイルは、大きく以下4つに分かれています。

  • オリジナルサロン:完全独自スタイルでの開業
  • 業務委託型サロン:開業者は店舗運営や現場でのマネジメント管理全般を担当、パートナー側が初期投資の出費やサポートをおこなう
  • のれん分けサロン:それまで働いていたサロンと契約を結び、元就業先のブランドや経営ノウハウを利用しながら開業
  • フランチャイズサロン:外部のサロンと契約を交わして開業

それぞれのメリット・デメリットは、以下のとおりです。

開業スタイルメリットデメリット
オリジナル自由度が高く自分の思い通りの美容室を作れる初期費用や運営リスクをすべて自己負担する必要がある
業務委託型初期投資を抑えて開業できるパートナー企業との関係性が重要で、運営方針の決定に制限がある
のれん分け元就業先の実績やノウハウを活かせるロイヤリティの支払いが必要
フランチャイズ大手チェーンのブランド力を活用でき、充実したサポートを受けられる独自性を出しにくく、一定のロイヤリティ支払いが発生する

いずれの方法も、最終的には開業者となる自身の自己責任と経営力が、成功を左右します。

開業前には徹底したリサーチをし、どのようにサロンに落とし込んでいくかを検討していくことが大切です。

開業にかかる期間の目安

美容院(美容室)の開業までの準備期間は、最短で約3カ月、長ければ1年以上かかる場合もあります。
事前の準備状況や開業スタイルによっても大きく異なるでしょう。

たとえば、開業までの期間を左右する要因には、希望する物件の見つかりやすさや資金調達にかかる時間、内装工事の規模と工期などが関与します。

なお、現在の美容室に勤務しながら準備を進める場合は、退職時期の設定が重要です。

一般的には、開業準備期間中の収入を確保しつつ、効率的に準備を進められることから、開業予定日の1カ月前に退職するケースが多く見られます。

美容院(美容室)の開業までの流れ9ステップ

美容院(美容室)の開業までの流れ9ステップ

美容院(美容室)の開業を成功させるためには、以下9つの重要なステップを着実に進めていく必要があります。

  1. 必要な資格の取得
  2. コンセプト設定
  3. 事業計画書の作成
  4. 立地選定
  5. 資金調達
  6. 店舗設計と内装工事
  7. 手続きと届出
  8. 人材確保と育成
  9. 集客戦略

各ステップを計画的に実行すると、スムーズな開業が実現できます。

1.必要な資格の取得

美容院(美容室)を開業する際に必要な資格は、美容師国家資格と管理美容師資格です。

管理美容師資格は、美容師であるスタッフ数が常時2人以上のときに必要になります。

必要な資格取得条件
美容師国家資格・美容師養成施設での2年以上の課程修了
・国家試験(実技・筆記)の合格が必要
管理美容師資格・美容師として3年以上の実務経験
・都道府県指定の講習会の受講が必要

衛生管理の観点から、管理美容師資格は経営者自身が取得するとよいでしょう。

2.コンセプト設定

コンセプトは、美容院(美容室)の成功を左右する重要な要素です。
以下の項目を検討します。

項目詳細
事業理念・サロンを経営するうえでの信念や想い
・美容業界での独自の存在意義
目標とビジョン・1年後、3年後、5年後の具体的な事業目標
・店舗展開や売上目標の設定
サロンの約束・行動指針・顧客への宣言事項
・スタッフ全員の行動基準
ターゲット顧客・メインとなる客層の明確化
・年齢、性別、職業などの具体的な設定
エモーショナル・ベネフィット顧客が得られる心理的な満足感
ファンクショナル・ベネフィット技術やサービスがもたらす具体的な価値

これらの項目を慎重に検討し、サロンの核となる「コンセプトステートメント(ビジネスの構想をまとめた文書)」を作成していきます。

3.事業計画書の作成

事業計画書は、資金調達や融資を受ける際の重要書類であり、具体的な経営方針と収支計画を示す必要があります。

必要な記載項目は、以下のとおりです。

  • 創業の動機と目的
  • 経営者の職歴と実績
  • 取扱商品・サービス内容
  • 必要資金と調達方法
  • 月次・年次の収支計画

収支計画は以下の計算式で算出します。

売上高 = 想定客数 × 客単価
粗利(ざっくりとした売上)= 売上-仕入高
営業利益の計算 = 粗利-諸経費(人件費、家賃、光熱費など)

収支計画は、根拠のある具体的な数字で示すことが重要です。
地域性や商圏分析に基づいた現実的な数値設定を心がけましょう。

4.立地選定

美容院(美容室)で良い立地を選定するために、以下のポイントを重視して検討します。

選定のポイント詳細
アクセスの良さ・駅やバス停からの距離
・主要道路からの見通し
・駐車場の有無
周辺環境の確認・人通りの多さ
・競合店の状況
・近隣住民の年齢層や所得層
物件の条件・賃料(売上見込みの7〜13%以内が目安)
・衛生状態(害虫や臭気の有無)
・治安の良さ

立地を決める際は、必ずサロンのコンセプトとターゲット顧客層に合わせることが重要です。

ビジネスマン向けなら駅近、ファミリー層なら住宅街など、顧客像に合った場所を選びましょう。

また、昼夜の人通りや季節による変動なども事前に調査し、長期的な視点で判断するのがおすすめです。

5.資金調達

美容院(美容室)開業には、設備投資や当面の運転資金などを含め、約1,000万~2,000万円程度の資金が必要といわれています

業態や立地条件によって異なりますが、一般的には以下の項目に費用がかかります。

設備資金運転資金
・店舗取得費:敷金、保証金など
・内外装工事:内外装、看板など
・理美容機器:椅子、機械、染髪台など
・什器備品:テーブル、椅子、棚など
・材料代
・家賃
・人件費
・水道光熱費
・広告宣伝費
・その他経費:消耗品、通信費、Webサイトサーバー代など

おもな資金調達方法は、以下の3つです。

  • 貯金や退職金などの自己資金
  • 銀行、日本政策金融公庫などからの融資
  • 自治体などによる補助金・助成金

一般的には、複数の調達方法を組み合わせて必要資金を確保します。

6.店舗設計と内装工事

店舗設計と内装工事は、美容院(美容室)開業において大きな初期投資です。
物件タイプによっても、費用は変わるでしょう。

新築物件は一から設計可能、築浅で補修箇所も少ないなどの特徴があります。

一方、以前も美容院(美容室)として利用されていた居抜き物件の場合、一部改装で済むこともあります。

解体して作り直す場合は工期と費用が増しますが、設備の再利用で経費削減も可能です。

工期は予定通りに進まないケースもあるため、余裕をもった計画を立てておくと安心です。

7.手続きと届出

美容院(美容室)の開業に必要な手続きと届出は、以下のとおりです。

必要な手続き提出先提出期限
美容所開設届保健所営業を開始する前
※処理にかかる期間:約1週間
防火対象物使用開始届出書消防署使用開始7日前まで
開業届(個人事業の場合)税務署事業開始の事実があった日から1カ月以内
青色申告承認申請書税務署青色申告をしようとする年の3月15日まで(その年の1月16日以後に、新たに事業を開始したり、不動産の貸付けをしたりした場合には、その事業開始等の日から2カ月以内)
法人設立届出書(法人化する場合)税務署法人設立の日以後2カ月以内

【スタッフを雇用する場合】

必要な手続き提出先提出期限
雇用保険適用事業所設置届労働基準監督署労働者を雇用する事業を開始した日の翌日から10日以内
雇用保険被保険者資格取得届労働基準監督署被保険者となった日の属する月の翌月10日まで
労働保険保険関係成立届労働基準監督署保険関係が成立した日の翌日から起算して10日以内
労働保険概算保険料申告書労働基準監督署保険関係が成立した日の翌日から起算して50日以内
健康保険・厚生年金保険新規適用届年金事務所事実発生から5日以内

青色申告承認申請書は必須ではないものの、青色申告により最大65万円の所得税特別控除が受けられます。
申請しておくとよいでしょう。

保健所や消防署からは、書類の届出後に実際の店舗で適合しているかを判断するための検査がおこなわれます

これらの手続きは、管轄の役所によって必要書類や様式が多少異なる場合があります。
事前に確認し、漏れのないよう準備を進めることが重要です。

8.人材確保と育成

美容院(美容室)の開業時には、優秀なスタッフを確保し、育成することが重要な課題です。
スタッフの確保は、早めに開始するのがおすすめです。

募集方法は、美容師専門の求人サイトやSNSでの発信、美容専門学校への求人依頼、知人からの紹介など、多岐にわたります。

採用時には、技術力だけでなく、コミュニケーション能力も重視することが大切です。
店舗のコンセプトやビジョンに共感できる人材か、チームワークを重視する姿勢があるかどうかを確認しましょう。

採用後は、以下の要素を含む育成計画を立てます。

  • 技術トレーニング
  • 接客マナー研修
  • 衛生管理の指導
  • 商品知識の習得
  • 予約管理システムの使用方法

定期的な面談でスタッフの成長度合いや課題を確認すると、長期的な人材育成を実現できます。

9.集客戦略

美容院(美容室)の開業後、安定した経営を実現するには、効果的な集客戦略が欠かせません。

Webを活用したデジタル集客から地域密着型のオフライン施策まで、多角的なアプローチで新規顧客の獲得とリピーターの増加を目指しましょう

オンライン集客の例オフライン集客の例
・Webサイト作成
・SNS活用
・Googleビジネスプロフィール登録
・オンライン広告出稿
・ポータルサイト掲載
・チラシ、DM配布
・地域イベント参加
・口コミ紹介
・クーポン配布
・異業種連携

オンライン集客では、まず自サロンのWebサイトを作成します。
店舗情報、メニュー、料金、スタッフ紹介などを掲載し、オンライン予約システムを導入して利便性を高める方法が有効です。

ブログやお知らせで、最新情報を発信するのもおすすめです。

SNS(Instagram、Xなど)では、ヘアスタイルのビフォーアフターや施術動画を投稿し、ハッシュタグを活用して拡散性を高め、フォロワーと積極的に交流しましょう。

また、Googleビジネスプロフィールへの登録も必要です。
店舗情報、写真などを掲載し、Google検索やGoogleマップでの露出を増やすと、集客につなげられます。

オフライン集客では、チラシやDM配布、地域イベント参加、口コミ紹介などが効果的です。
異業種連携など、地域とのつながりを深める取り組みも考えられます。

スムーズな美容院(美容室)開業を目指そう

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美容院(美容室)の開業には、美容師国家資格・管理美容師資格の取得からコンセプト設計などの開業準備、開設届などの行政手続きまで、多くのステップが必要です。

押さえておくべきことや流れを把握し、スムーズな開業に役立てましょう。

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