O2Oクラウドサービス完全ガイド|導入メリットと成功事例
O2Oマーケティング戦略を図る際、手軽に利用できるクラウドサービスを検討する担当者もいるでしょう。
クラウドサービスにはさまざまな機能があり、オンライン・オフラインにおける顧客データの収集・分析の効率化や業務プロセスの最適化が図れます。
この記事では、O2Oクラウドサービスの特徴や導入するメリット、おもな機能や成功事例を紹介します。
自社における導入の見通しを立てるための参考にしてください。
O2Oクラウドサービスとは
O2Oクラウドサービスとは、オンラインからオフラインへ購買活動を促すO2O(Online to Offline)のシステムを、インターネット経由で利用する方法です。
まずは、O2Oの概念やクラウドサービスの特徴を解説します。
O2Oとは
O2O(Online to Offline)とは、オンラインからオフラインへ購買行動を促すマーケティングの考え方のことです。
インターネット上のWebサイトやアプリなどのオンラインチャネルを通じて、実店舗への来店や購買を促進します。
近年では、スマートフォンの普及やSNSでの情報共有のポピュラー化が見られているほか、実店舗でしかかなえられない顧客体験が再評価されたことなどを背景に注目されてきました。
施策例には、オンラインでクーポンを発行して実店舗での割引サービスを提供したり、Webサイトで商品の情報を掲載して実店舗での購入につなげたりするなどの方法があります。
なお、O2Oと混同しやすい言葉が、OMOやオムニチャネルです。
OMO(Online Merges with Offline)は、オンラインとオフラインの境界線をなくし、顧客にとってシームレスな購買体験を提供することを目指しています。
オムニチャネルは、あらゆるチャネルを統合して顧客体験の向上を目指す概念です。
クラウドサービスの特徴
クラウドサービスとは、インターネット経由でサービスを提供する形態です。
特徴は、以下のとおりです。
- 初期費用や管理費用などのコストを抑えやすい
- 導入の手間が少ない
- サービスによっては拡張性も柔軟
クラウドサービスは、従来のように自社でサーバーやソフトウェアを用意する必要がなく、インターネット環境とデバイスさえあれば、いつでもどこでも利用可能です。
O2O施策では、顧客管理やデータ分析、マーケティングオートメーションなど、さまざまな機能を利用できるでしょう。
企業規模に関わらず導入しやすいソリューションとなっており、これからO2Oマーケティングに取り組む場合や、従来型のシステムにコスト面で課題を感じている場合に魅力的な選択肢といえます。
O2Oクラウドサービスを導入する3つのメリット
O2Oクラウドサービスを導入すると、オンライン・オフライン統合により顧客データの収集や分析の効率化、業務プロセスの最適化が図れ、顧客体験の向上につながります。
O2Oクラウドサービスを導入するメリットを解説します。
1.オンライン・オフライン統合により顧客体験の向上が図れる
O2Oクラウドサービスを導入すると、オンラインとオフラインの統合により、顧客体験の向上につながります。
顧客の購買履歴や行動履歴などのデータを統合的に管理することで、顧客一人ひとりにパーソナライズされたサービスを提供できます。
顧客の購買履歴に基づいたおすすめ商品の提案や、実店舗の近くを通ったタイミングでのクーポン発行などもできるでしょう。
結果として、顧客満足度を高め、顧客ロイヤリティの向上を期待できます。
2.顧客データの収集・分析が効率的になる
O2Oクラウドサービスの導入は、顧客データの収集・分析が効率的になります。
顧客データはマーケティング戦略を最適化するうえで重要な材料ですが、従来のオフライン型の顧客管理では、情報が紙媒体で管理されていたり、属人化してしまったりなど、データの統合や分析に手間がかかっていました。
O2Oクラウドサービスを導入することで、オンライン・オフライン両方の顧客データを一元管理できます。
顧客の属性情報や購入履歴、Webサイト上の行動履歴などを統合的に分析できるため、より精度の高いマーケティング施策の実施が可能となるでしょう。
3.業務プロセスが最適化される
O2Oクラウドサービスの導入により、これまで多くの時間と手間がかかっていた以下のような業務プロセスの効率化・最適化を図れます。
業務プロセス | 導入による最適化 |
---|---|
予約受付 | 予約のオンライン化により24時間対応が可能。顧客の利便性向上と同時に、店舗側の業務効率化にも貢献。 |
在庫管理 | ECサイトと実店舗の在庫状況をリアルタイムに統合管理。売れ筋商品の欠品防止や在庫過多による損失削減を実現。 |
顧客対応 | オンライン上での顧客とのやり取りをシステム化。問い合わせ履歴や購入履歴の共有で、パーソナライズされた顧客対応が可能。 |
マーケティング活動 | オンライン・オフラインの顧客データを統合的に分析。顧客の行動パターンや属性に応じた最適なマーケティング施策が可能。 |
O2Oクラウドサービスの導入により、飲食店や美容院は予約受付、小売店は在庫管理などの業務プロセスを最適化できます。
業務プロセスが効率化した分、従業員は実店舗での顧客体験の向上に集中できるでしょう。
O2Oクラウドサービスのおもな機能
O2Oクラウドサービスには、位置情報連動マーケティングや顧客データの統合・分析、在庫管理・予約システム連携、スマートフォンアプリ連携などの機能があります。
それぞれの機能を紹介します。
位置情報連動マーケティング
O2Oクラウドサービスでは、位置情報連動マーケティングがおこなえます。
位置情報の利用により、企業は実店舗の近くにいる潜在顧客に効果的にアプローチできます。
たとえば、顧客が実店舗の近くに通ったタイミングでスマートフォンアプリにクーポンを配信したり、おすすめ商品をプッシュ通知したりすることが可能です。
位置情報連動マーケティングで活用する技術には、以下のようなものがあります。
技術 | 特徴 |
---|---|
GPS | 精度は低いが、広範囲の位置情報を取得できる。 |
通信基地局 | 精度は低~中程度(基地局単位)。各キャリアの利用者が対象でカバー率が高く、大量のデータが取得できる。 |
Wi-Fi | 精度は中程度。Wi-Fiスポットの場所に依存する。 |
ビーコン | 精度は高い。店舗内への設置により、顧客の行動を詳細に把握できる。 |
GPSや通信基地局は広範囲をカバーできるため、顧客が特定の地域に入った際にクーポンを配信する場合に有効です。
一方、より精度の高い位置情報を取得できるWi-Fiやビーコンは、顧客が店内にいる際に検知してプッシュ通知を送るなど、きめ細かいマーケティングに活用できます。
O2Oクラウドサービスで位置情報連動マーケティングをおこないたいときは、有効な施策を考えるために、どの技術を活用しているかを確認しておくとよいでしょう。
顧客データの統合・分析
O2Oクラウドサービスでは、オンラインとオフライン顧客データを一元管理でき、分析もしやすくなります。
広告測定をおこなうことで販促活動の見直しもでき、効果的なマーケティング施策につなげられるでしょう。
統合・分析できる顧客データには、以下のような内容があります。
データ項目 | 詳細 |
---|---|
顧客ID | オンライン・オフライン共通の顧客ID |
属性情報 | 年齢、性別、居住地 |
購入履歴 | オンラインストア、実店舗での購入履歴 |
Webサイト閲覧履歴 | 閲覧したページ、滞在時間 |
アプリ利用履歴 | 利用した機能、頻度 |
購買履歴やWebサイトの閲覧履歴を分析すると、顧客の興味関心や購買パターンを把握できます。
顧客の状況を適切に捉えることで「一人ひとりに最適なタイミングで」「効果的なチャネルを通して」「必要な情報を」届けられるようになります。
在庫管理・予約システム連携
O2Oクラウドサービスでは、オンライン上で予約を受け付けたり、連動して在庫数をリアルタイムに更新したりすることも可能です。
電話や店頭で予約を受けたり、手作業で在庫数を管理したりする必要がなくなり、人的ミスの削減や業務の効率化につながるでしょう。
リアルタイムな在庫状況の把握は、在庫切れによる機会損失を防げます。
また、予約のしやすさは、顧客満足度にも良い影響をもたらします。
スマートフォンアプリ連携
O2Oクラウドサービスにおいて、スマートフォンアプリ連携は欠かせない機能です。
うまく活用することで、企業と顧客、双方に以下のようなメリットがあります。
アプリ連携でできること | 顧客側の メリット | 企業側の メリット |
---|---|---|
情報提供 | 店舗情報やクーポンを簡単に取得できる | 顧客に合わせた情報配信で来店促進や購買意欲の向上につながる |
利便性 | 予約や注文がスムーズにおこなえる | 業務効率化によるコスト削減効果が見込める |
エンゲージメント強化 | ポイントサービスやキャンペーン参加により愛着度が向上する | 顧客データの取得・分析によるマーケティング戦略の精度向上に役立つ |
スマートフォンアプリを連携するときのポイントは、顧客のニーズに合った内容で展開することです。
飲食店であれば、アプリ上でメニューを確認できるようにしたり、予約やクーポン取得などができるようにしたりする方法が考えられます。
小売店では、ECサイトと連携したポイントサービスや商品の在庫状況確認などが、アプリ上で完結できるようにするとよいでしょう。
また、プッシュ通知機能の活用も、顧客の来店履歴や属性に合わせたタイムリーな情報配信ができる有効な方法です。
クーポンやセール情報などの配信により、来店促進や購買意欲の向上を図れます。
【業種別】プラストのO2Oサービス活用事例3選
株式会社プラストのモバイルマーケティングでは、公式アプリの制作・連動した顧客管理ツールの提案をおこなっています。
アフターフォローや販売促進なども含めた統合ソリューションシステムの導入で、リピート顧客の増加と売上の安定化を目指すことが可能です。
導入実績のある業種も、飲食業や美容業、医療業など多岐にわたります。
ここでは、業種別に活用事例を紹介します。
1.飲食業|ブーランジェリーミモザ様
愛知県稲沢市でベーカリーショップを営むブーランジェリーミモザ様は、以下のポイントで店舗アプリを導入されました。
- ポイント機能
- クーポン配布
- 予約機能
- メッセージ配信
ブーランジェリーミモザ様は、アプリからパンの焼き上がり時間を配信するようになったところ、時間に合わせて多くの顧客が来店してくださるようになったそうです。
また、ポイントを貯めるために仕事帰りに寄る顧客も多く、普段ゆっくり会話ができない方と話す機会が増えたようです。
アプリ会員数は3カ月で1,370名にものぼりました。
導入後には「アプリがお客様とのコミュニケーションにつながり、感謝と思いやりというお店のコンセプトにも合っている」とのお声をいただいています。
2.美容業|ra shim hair様
大阪市北区で美容室を営むra shim hair(ラーシムヘアー)様も、店舗アプリでモバイルマーケティングを図っています。
予約・紹介・ポイント機能が1つのアプリでカバーできること、自分でもすぐに編集をかけられることに魅力を感じられているようです。
分析機能も活用しており、アクセスの多いQRコードや登録者数を確認し、長い目で見た集客戦略に役立てています。
3.医療業|整体院たまご様
奈良県奈良市の整体院たまご様は、ネット予約制度を目的に店舗アプリを導入されました。
アプリ導入後は当初の目的のネット予約以外に、院長先生からのその時々に合わせたメッセージや季節に合ったセルフケアの方法などを配信しています。
プラストは導入後も定期的に電話連絡をしており、そのサポートの手厚さにもご満足いただけているようです。
そのほかの導入事例は、以下から確認できます。
O2Oクラウドサービスの導入で効果的な集客につなげよう
O2Oクラウドサービスとは、オンラインからオフラインへ購買活動を促すO2O(Online to Offline)のシステムを、インターネット経由で利用する方法です。
導入や業務にかかる負担を抑えながら、顧客データを基にした効果的なマーケティング施策を図れます。
O2Oクラウドサービスには、位置情報連動マーケティングやスマートフォンアプリ連携など、さまざまな機能があるため、まずは自社に必要な内容を洗い出すことが大切です。
プラストはお客様の目線に立ち、マーケティング施策を考えるお手伝いをしています。
O2Oマーケティングに悩む担当者の方は、ぜひお気軽にご相談ください。