店舗用Wi-Fiを設置したい!おすすめの選び方と注意点を解説

店舗用Wi-Fiの導入は、顧客の利便性向上に直結し、待ち時間の有効活用や情報収集、SNSでの情報発信を可能にすることで顧客満足度を高めます。
集客力・リピーター増加、口コミの拡散といった大きなメリットが期待でき、結果として店舗の売上アップにもつながるでしょう。
この記事では、家庭用Wi-Fiとの違いから店舗用Wi-Fiの正しい選び方、導入時の注意点まで徹底解説します。
店舗に最適なWi-Fi環境を構築するために、ぜひ参考にしてください。
店舗用Wi-Fiと家庭用Wi-Fiの違い

手軽にWi-Fiを設置する方法として、家庭用Wi-Fiの導入があげられますが、店舗用として利用するのはおすすめできません。
両者には、以下のように明確な性能差があります。
| 違い | 店舗用Wi-Fi | 家庭用Wi-Fi |
|---|---|---|
| 同時接続台数 | 多数の来店客による同時利用を想定しており、50台以上の同時接続に対応している製品が多い | 少人数での利用を前提としているため、同時接続台数が10~20台程度に制限されている |
| セキュリティ | アクセス制御の詳細設定が可能で、セキュリティレベルが高め | 基本的なアクセス制御のみでセキュリティレベルが一般的 |
| 通信範囲 | 店舗の広い空間をカバーできるよう設計されている | 通信距離が近い |
家庭用Wi-Fiを店舗で使用すると、接続が不安定になったり、セキュリティリスクが高まったりする可能性があります。
必ず店舗用Wi-Fiを設置しましょう。
店舗用Wi-Fi選びの7つのチェックポイント

店舗用Wi-Fiを選ぶときには、お客様と業務の両方を考慮した総合的な判断が必要です。
以下のチェックポイントを確認すると、失敗のない導入が可能になります。
- ゲストWi-Fi機能の有無
- 同時接続可能台数
- 通信速度と安定性
- 初期費用と月額費用のバランス
- セキュリティ機能の充実度
- サポート体制の手厚さ
- 設置工事の有無と導入期間
店舗に最適なWi-Fi環境を構築できるよう、それぞれのポイントを押さえましょう。
ゲストWi-Fi機能の有無
店舗用Wi-Fiを選ぶときのチェックポイントの一つが、ゲストWi-Fi機能の有無です。
ゲストWi-Fi機能は、お客様専用のネットワークを店舗の業務用ネットワークと完全に分離して提供できる仕組みをもちます。
この機能をもつルーターでは、以下のような設定が可能です。
- 専用SSIDの作成:「Guest-○○」など、来店者向けの接続先を別途設定できる
- ネットワーク分離:業務用PCやPOSシステムへのアクセスを遮断できる
- 利用制限の設定:接続時間や利用可能時間帯を制限できる
この機能がないと、お客様と店舗スタッフが同じネットワークを共有しなければならず、業務データへの不正アクセスの可能性や、業務通信とゲスト通信の競合で速度低下に陥るリスクが生じます。
利用者の把握や制限設定も困難になるでしょう。
特に、キャプティブポータル機能(接続時のログイン画面表示)に対応しているかどうかが重要なポイントです。
この機能により、利用規約への同意を求めたり、店舗情報やクーポンを表示したりすることが可能になります。
ゲストWi-Fi機能は、顧客サービスの向上とセキュリティ確保の両立に欠かせない機能といえます。
同時接続可能台数
家庭用Wi-Fiルーターは、一般的に10〜20台程度の接続を想定していますが、店舗用Wi-Fiルーターはより多くのデバイスに安定して接続できるように設計されています。
通信速度の安定性を確保するためには、実際の接続台数の2倍程度の余裕をもつことが推奨されます。
店舗の規模別の目安は、以下のとおりです。
| 店舗規模 | 想定接続台数 | 推奨ルーター接続台数 |
|---|---|---|
| 小規模店舗 | 20〜40台 | 50〜100台対応 |
| 中規模店舗 | 50〜80台 | 100〜200台対応 |
| 大規模店舗 | 100台以上 | 200台以上対応 |
また、将来的な事業拡大も見据えて現在の必要台数より余裕のあるモデルを選択すると、買い替えにかかるコストを抑えられます。
通信速度と安定性
店舗用Wi-Fiを選ぶとき、通信速度と安定性の確認は必須事項です。
通信速度と安定性はお客様の快適なインターネット利用だけでなく、キャッシュレス決済や業務システムの円滑な運用にも直結します。
特に、キャッシュレス決済端末の利用やタブレットオーダーシステムの運用、在庫管理・勤怠管理システムの利用、防犯カメラのネットワーク接続では安定性が不可欠です。
初期費用と月額費用のバランス
店舗用Wi-Fiの導入では、初期費用と月額費用のバランスを考慮することが重要です。
一般的な費用相場は、以下のとおりです。
| 項目 | 費用相場 |
|---|---|
| 初期費用 | 20,000~30,000円 |
| 月額費用 | 3,000~5,000円 |
初期費用には、回線工事費、ルーター購入費、事務手数料などが含まれます。
費用を抑えたい場合は、以下の方法を検討しましょう。
- Wi-Fiルーターをレンタルプランで契約する
- 初期費用無料キャンペーンを活用する
- プロバイダ一体型のサービスを選ぶ
月額費用は長期的なランニングコストとなるため、店舗の規模や利用頻度に応じた適切なプランの選択が大切です。
セキュリティ機能の充実度
店舗用Wi-Fiを導入するときは、セキュリティ機能の充実度を必ず確認しましょう。
ゲストネットワークの分離機能はもちろん、以下のセキュリティ機能があるかどうかを確認してください。
- WPA3などの最新暗号化技術への対応
- 不正アクセスの検知・遮断機能
- 接続デバイスの管理・制限機能
- ファイアウォール機能の有無
定期的なセキュリティアップデートが提供されているかどうかも重要なポイントです。
サイバー攻撃の手法は日々進化しているため、常に最新の対策が施されているルーターを選ぶと、お客様と店舗の両方を守るのに役立ちます。
セキュリティ機能が不十分な場合、顧客情報の漏えいや不正アクセスによる営業妨害など、深刻なトラブルに発展する可能性があります。
初期費用を抑えるために安価なルーターを選ぶのではなく、十分なセキュリティ機能を備えた製品を選択することが、長期的な店舗運営において重要です。
サポート体制の手厚さ
店舗用Wi-Fiを導入するうえで、万が一トラブルが発生したときの対応についても確認しておくことが重要です。
営業時間中、突然インターネットに繋がらなくなったり、速度が極端に遅くなったりすると、お客様へのサービス提供に大きな影響を与えてしまいます。
Wi-Fi事業者を選ぶときは、以下のサポート体制をチェックしましょう。
- 対応時間:24時間365日対応か、営業時間内のみか
- 連絡手段:電話、チャット、メールなど複数の窓口があるか
- 対応スピード:即日対応が可能か、訪問サポートの有無
- サポート料金:基本料金に含まれるのか、別途費用が発生するのか
特に、週末や祝日も営業している店舗では、土日祝日も含めたサポート体制が整っている事業者を選ぶことが大切です。
また、初期設定や機器の交換など、技術的な知識が必要な場面でも専門スタッフがわかりやすく説明してくれるサポート体制があると、安心して導入・設置ができます。
設置工事の有無と導入期間
店舗用Wi-Fiの導入を検討するときには、工事の有無と導入期間も重要な選定ポイントです。
営業への影響を最小限に抑えるためにも、事前にしっかりと確認しておきましょう。
たとえば、モバイルWi-Fiや据え置き型ルーターなど工事が不要なタイプは、電源を入れるだけですぐに利用開始が可能です。
一方、光回線を使用する場合は、建物への回線引き込み工事が必要で、少なくとも2〜4週間の導入期間を要します。
ただし、すでに光回線設備が整っている物件では、無派遣工事で対応できる場合があります。この場合、工事業者の立ち会いはいらず、機器の設定のみで利用開始できるでしょう。
店舗用Wi-Fi導入前に知っておくべき注意点と対策

店舗用Wi-Fi導入前に知っておくべき注意点として、セキュリティリスクや長時間滞在による回転率低下、通信トラブル時の営業への影響があげられます。
安心して店舗用Wi-Fiを導入できるよう、これらの注意点を事前に把握し、適切な対策を講じましょう。
セキュリティリスク
店舗用Wi-Fiを導入するときは、便利さだけでなく、セキュリティリスクについても理解しておく必要があります。
おもなリスクとしては、以下があげられます。
| おもなリスク | 詳細 |
|---|---|
| 通信内容の傍受 | Wi-Fiの電波を悪意のある第三者に傍受され、顧客の個人情報や決済情報が盗み見される可能性がある。特に暗号化が不十分な場合、リスクが高まるため注意が必要 |
| 不正アクセスによるシステム侵入 | パスワードが解読されると、店舗のPOSシステムや在庫管理システムに不正侵入される恐れがある。最悪の場合、業務データの改ざんや削除につながるケースもあり得る |
| スタッフによる不適切な利用 | 業務用Wi-Fiをスタッフが私的に利用すると、不正サイトへのアクセスやウイルス感染のリスクが高まる |
これらのリスクを軽減するためには、適切な暗号化方式の選択や、強固なパスワード設定などの対策が不可欠です。
また、必要なセキュリティ機能を検討したうえで、店舗に適切なルーターを選ぶことが大切です。
長時間滞在による回転率低下
店舗用Wi-Fiを導入するときに懸念すべきなのが、お客様の長時間滞在による座席回転率の低下です。
特に飲食店では、無料Wi-Fiを目当てに来店されたお客様が、最小限の注文で長時間滞在されるケースが増加する可能性があります。
コーヒー1杯で数時間滞在されてしまうと、ランチタイムやディナータイムなどの繁忙時間帯に新規のお客様を案内できず、売上機会を逃してしまうでしょう。
この問題への対策として、以下のような方法が考えられます。
| 対策 | 詳細 |
|---|---|
| 時間制限を設定する | ・Wi-Fi利用時間を1~2時間に制限する ・追加注文で利用時間を延長する仕組みを作る |
| 座席を工夫する | ・Wi-Fi利用可能エリアを限定する ・カウンター席など回転率を重視しない席に誘導する |
| 料金体系を見直す | ・時間帯別の最低注文金額を設定する ・混雑時は席料を導入する |
ただし、過度な制限は顧客満足度の低下につながるため、店舗のコンセプトや客層に合わせたバランスの取れた運用が重要です。
Wi-Fiサービスは集客ツールとして活用しつつ、適切な利用ルールを設け、回転率と顧客満足度の両立を目指すようにしましょう。
通信トラブル時の営業への影響
店舗用Wi-Fiの通信障害は、売上に直結する深刻な問題となる可能性があります。
通信トラブルが発生した場合のおもな営業への影響は、以下のとおりです。
| 通信トラブルによるおもな影響 | 詳細 |
|---|---|
| 決済システムへの影響 | ・クレジットカード決済の停止 ・QRコード決済の利用不可 ・電子マネー決済の処理エラー |
| 顧客サービスの低下 | ・オンライン予約の確認不可 ・リアルタイム在庫の照会不可 ・会員情報の参照不可 |
| 機会損失のリスク | ・顧客の離脱による売上減少 ・SNSでのネガティブな口コミ拡散 ・競合店舗への顧客流出 |
影響を最小限に抑えるためには、バックアップ回線の準備や、障害時の対応マニュアルの整備が不可欠です。
また、サポート体制が充実したプロバイダを選ぶと、トラブル発生時の復旧時間を短縮できます。
顧客満足度アップには店舗用Wi-Fiをはじめとした設備調整が大切

店舗運営の成功のためには、Wi-Fiをはじめとした設備を十分に整えることが重要です。
設備が整うと、業務効率アップ・通信費削減・情報漏えい対策・ウイルス対策など、さまざまなことが可能になり、結果として顧客満足度の向上にもつながります。
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美容院へのWi-Fi設置については、以下の記事も参考にしてください。
美容院集客にはWi-Fi設置がおすすめ!長時間滞在できる環境づくりの重要性

