コピー機(レーザー方式複合機)手差し印刷とは|メーカーごと使用方法解説

コピー機の給紙カセットに用意されていることが多いA4・B5・B4・A3サイズでない用紙や厚手の用紙などのコピーはどうすれば良いのでしょうか?
結論、手差し印刷をすれば上手くいきます。
この記事では、コピー機の中でもレーザー方式複合機に関して、手差し印刷とは何か?・手差し印刷のメリットとデメリットは・メーカー別手差し印刷の方法を解説していきます。
コピー機(レーザー方式複合機)手差し印刷とは

手差し印刷とは、コピー機の給紙カセットにセットできない用紙を*手差しトレイにセットして印刷する方法です。
(*手差しトレイとは:メーカによって違いはありますが、上の図のような給紙カセットではなくサイドについた給紙トレイ)
一般的に給紙カセットにセットされているのは普通紙のA4・B5・B4・A3サイズが多く、スタートボタンを押せば自動的にコピーしてくれます。手差し印刷では厚紙、はがき、封筒、定形外サイズの用紙、OHPフィルム(ラベル印刷)などをコピーする際にコピー機の設定を手差しトレイの用紙サイズや用紙種類を指定するとコピーされます。
- 『手差し印刷が多く使われるのは年賀状などのハガキ印刷に用いられるようですが、普通紙ではなく特殊な用紙にコピーをする時にはとても便利な機能です。』
コピー機(レーザー方式複合機)手差し印刷のメリット・デメリット

便利な手差し印刷ですが、メリットもあればデメリットもあります。
ここでは、効率的に手差し印刷が利用できるようにメリット・デメリットを説明します。
コピー機(レーザー方式複合機)手差し印刷のメリット
手差し印刷の1番のメリットは、給紙トレイの規格と合わない、ハガキ・封筒、長尺用紙、厚紙・薄紙などにコピーできる点です。
その他にも次のようなメリットがあります。
- 両面印刷ができる
- コピー機でコピーできる種類が増え、印刷会社などへの外注のコストカットにつながる
自社で作成できる印刷物の範囲が増えることで、外注の手間とコストが削減できるのは大きなメリットです。
コピー機(レーザー方式複合機)手差し印刷のデメリット
手差し印刷のデメリットは、何より手間がかかることです。
特に設定においては、コピー機本体の設定とPCの印刷設定が必要となります。
主に次の2点がデメリットとしてあげられます。
- 用紙ごとの設定が必要
- 設定のミスがコピー機の故障につながる原因となる可能性もある
様々な用紙に対応できる反面、しっかりと設定するように心がけなければいけません。
コピー機(レーザー方式複合機)手差し印刷の用途

手差し印刷がよく使われる用途は次の3つです。
- ハガキのプリント
- 目の粗い厚手の画用紙のプリント
- 名刺のプリント
ハガキのプリント
PCソフトの発達に伴い、手の込んだ年賀状や挨拶状などの作成も容易にできるようになりましたが、そうしたハガキのプリントアウトもコピー機(レーザー方式複合機)の手差し印刷を利用するとまとまった枚数でもスムーズに印刷をこなせます。
ちなみに、給紙カセットにセットされる普通紙の厚みは0.07~0.08mm程度ですが、ハガキは0.18~0.22mm程度の厚みがあります。
ハガキへのプリントアウトは厚みがあるため手差しトレイにハガキをセットして手差し印刷で活用します。
目の粗い厚手の画用紙のプリント
文房具店で売っているような目の粗い厚手の画用紙も手差しトレイにセットしてプリントアウトします。
特に目の粗い画用紙などをプリントする際インクジェット方式だと、画用紙にインクを飛ばしてプリントするため画用紙ににじむ可能性が高いですが、レーザー式のコピー機なら綺麗にプリントアウトされます。
名刺のプリント
名刺印刷もA4サイズの名刺シートの質の向上から、コピー機を使用して作成することが多くなってきています。
A4サイズの名刺シートは10枚の名刺を1シートにしてあり、プリント後、切り取り線(ミシン目)にそって切り離します。
- 『以前の名刺シートはミシン目が粗くて切り離すと断面が綺麗ではなく簡易的な目的でしか使えなかった』
名刺シートはアートポスト紙のような光沢があり豪華なタイプからマットなタイプまでバリエーションが豊富ですが、一様に厚みがあるため手差し印刷を利用しましょう。
手差し印刷でコピーできる特殊用紙

次にあげる用紙は、サイズが給紙カセットに適合したとしても、コピー機の故障を防ぐため手差し印刷を利用することをおすすめします。
- マットコート紙
- アートポスト紙
- OHPフィルム
ただし、機種によっては使えないものもあるため必ず確認して下さい。
マットコート紙
マットコート紙は、マット紙や半光沢紙とも呼ばれる表面のつやを抑えた用紙です。
用紙表面をコーティング加工されているため、上質紙よりも発色がよい特徴があります。
また、用紙表面の光の反射がおさえられていてプリント内容が読みやすいので、写真入り記事などに最適です。
アートポスト紙
アートポスト紙は、色が鮮やかに印刷できる用紙で、ポストカードなどの紙の厚みが必要とされる印刷物に利用されることが多い紙質です。
表面に光沢があり、写真などをフルカラー印刷するときに最も向いています。
OHPフィルム
OHPフィルムは、正式にはオーバーヘッドプロジェクターシートと言いますが、端的に言えば「透明なコピー用紙」です。
テキストや図面が描かれたOHPフィルムをオーバーヘッドプロジェクターに透過するのが一般的な利用法ですが、最近では透明アクリル板に貼り付けたり、ネガフィルムのように使用したりとオシャレな使われ方も目立つようになりました。
- 注意『コピー機(レーザー方式複合機)では、OHPフィルム レーザープリンター用を必ず使って下さい』
メーカー別手差し印刷の操作方法

以下の国内メーカー機種ごとにコピー機(レーザー方式複合機)手差し印刷の操作方法を解説します。
- Canon:<iR C5185/C4580/C4080/C3880>
- FUJIFILM:<DocuCentre-V3060/2060/1060>
- RICOH:<RICOH MP6054/5054/4054/3554/2554>
- SHARP:<MX-2310F/MX2514FN/MX-2517FN/MX-3111F/MX-3114FN/MX-3117FN/MX-3611F/MX-3614FN>
- TOSHIBA:<e-STUDIO2000AC/2505AC/3505AC/4505AC/5005AC/2508AC/3508AC/4508AC/5008AC>
(アルファベット順)
Canon:<iR C5185/C4580/C4080/C3880>
- 手差しトレイを開く
- スライドガイドを調節:セットする用紙サイズに合わせる(用紙サイズが大きいときは補助トレイを引き出す)
- 手差しトレイに用紙をセット:用紙はまっすぐに伸ばしてセットする
- 本機パネルで用紙サイズ選択後、OKを押す:定形外サイズの場合は「ユーザー設定サイズ」「封筒」「ハガキ」で設定
- 本機パネルで用紙種類選択後、OKを押す:リストにない用紙種類の場合は「詳細設定」で選択する
- 本機パネル「閉じる」を押した後、スタートを押す
Canon:<iR C5185/C4580/C4080/C3880>の詳しい操作方法・注意事項はこちらをご覧ください。
FUJIFILM:<DocuCentre-V3060/2060/1060>
- 手差しトレイを開く
- 元原稿をセット:ガラス台、または原稿送り装置にセット
- 本機メニュー画面のコピーを押す:本体操作パネルにあり
- 「コピーできます」表示確認:本体操作パネル
- 手差しトレイに用紙をセット:コピーしたい面を下にセット
- スライドガイドを調節:ガイドを用紙サイズに合わせる
- 「用紙サイズ」と「用紙の種類」を設定:本体操作パネル
- 「部数」「カラーモード」「画質調整」「片面や両面」などの設定:本体操作パネル
- スタートを押す:本体操作パネル
FUJIFILM:<DocuCentre-V3060/2060/1060>の詳しい操作方法・注意事項はこちらをご覧ください。
RICOH:<RICOH MP6054/5054/4054/3554/2554>
- 手差しトレイを開く:大きなサイズの用紙をセットするときは、延長トレイを引き出す
- 印刷する面を下にし、「ピッ」というブザー音が鳴るまで用紙を軽く差し込む:用紙の種類によっては手差しトレイに用紙をセットしても、用紙がセットされた表示にならないときは用紙をセットし直す
- 用紙ガイド板を用紙サイズに合わせる:用紙ガイド板が用紙サイズに合っていないと、斜めに印刷されることや、用紙がつまることがある
RICOH:<RICOH MP6054/5054/4054/3554/2554>の詳しい操作方法・注意事項はこちらをご覧ください。
SHARP:<MX-2310F/MX2514FN/MX-2517FN/MX-3111F/MX-3114FN/MX-3117FN/MX-3611F/MX-3614FN>
- 手差しトレイを開く
- 手差しトレイに用紙をセット:印刷面を下向きに上部が右側になるようにセット
- 基本画面で「手差し」アイコンを押す:本体操作パネル
- 「用紙」画面が表示されるので、[手差しトレイ]を選択:本体操作パネル
- 手差しトレイ表示の下にある「普通紙」を押す:本体操作パネル
- 「用紙タイプ」より、使用する印刷用紙にあわせ、[厚紙1]/[厚紙2]/[厚紙3]から選択:・厚紙1:106g/㎡~220 g/㎡・厚紙2:221 g/㎡~256 g/㎡・厚紙3:257 g/㎡~300 g/㎡
- 用紙サイズを選択してスタート:使用する印刷用紙の種類を選択後、[OK]を押す
SHARP:<MX-2310F/MX2514FN/MX-2517FN/MX-3111F/MX-3114FN/MX-3117FN/MX-3611F/MX-3614FN>の詳しい操作方法・注意事項はこちらをご覧ください。
TOSHIBA:<e-STUDIO2000AC/2505AC/3505AC/4505AC/5005AC/2508AC/3508AC/4508AC/5008AC>
「注意」
- 手差しトレイに載せる用紙の量はサイドガイドに表示された指示線を超えないこと
- 用紙の種類によって枚数の制限あり(詳細は使用ガイドを参照)
- 手差しトレイに複数枚の用紙を載せる場合は用紙をよくさばくこと
- 用紙は強く押し込まない(紙詰まりの原因となる)
- 用紙サイズを設定しないとコピー速度が遅くなる原因の可能性がある
- OHPフィルムを印刷するときは、1枚排紙するごとに排紙トレイからOHPフィルムを取り除く(排紙後、OHPフィルムが重なるとフィルムカールが大きくなり、OHPが映りにくくなる可能性あり)
<操作方法>
- 手差しトレイを開く
- 用紙サイズが大きい場合は、用紙ホルダーも引き出す
- 用紙を抜き差しするときは、レバーを外側に倒しセットする
- 「用紙押さえレバー」を本体側に倒す
- 補足:『自動原稿送り装置に原稿をセットして手差し手差し印刷を行う際、用紙設定を忘れると上下が逆にコピーされます。
手差し印刷をする場合は必ず用紙設定をすることをおすすめします』
TOSHIBA:<e-STUDIO2000AC/2505AC/3505AC/4505AC/5005AC/2508AC/3508AC/4508AC/5008AC>の詳しい操作方法・注意事項はこちらをご覧ください。
なお、手差し印刷の解説は33ページ〜44ページです。
まとめ
この記事では、コピー機の中でもレーザー方式複合機に関して、手差し印刷とは何か?・手差し印刷のメリットとデメリットは・メーカー別手差し印刷の方法を解説してきました。
手差し印刷は設定に慣れるまでは手間がかかるものの、それも経験によりスムーズに行くでしょう。
手差し印刷を上手に使いこなし、印刷の外部発注のコストダウンを目指してはいかがでしょうか。